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Nの軍事ブログ

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2008-12-25-Thu- 海賊対策拡充の方向 期待と不安

●海賊対策本格調整

 海上自衛隊艦艇をソマリア沖に展開し、日本船籍の船を護衛するという任務の実施が現実味を帯びてきた。Nが、かなり前から主張してきたことが一応現実になるのだが、完全ではない。

 今回は、国会のねじれから海賊対策法案を通すことが難しいため、法案成立までの措置として、船舶に危険が及んだ場合、海上警備行動を発令してある程度の護衛を行うというものである。しかし、特別措置での派遣であるために問題が多々ある。そもそも、ソマリア沖で海賊対策に当たっている部隊は多くあるが、指揮が一元化されておらず手順も統一されていない。そのため連携が取れていないのはもちろんのこと、拘束した海賊をどこで裁判にかけるかといった問題が残っている。まして日本のことであるから、国際ルールをめぐっておおもめになるに違いない。

●不完全な作戦遂行

 現場の部隊の安全や円滑な作戦遂行のために政治ができる限りのことをすべきなのは言うまでもない。しかし、日本においては今までずっとそうではなく、部隊を危険にさらすような決定を下してきた。今回の派遣はどうだろうか。

 先日、安全保障理事会で海賊が逃走した場合に備えて陸空での作戦遂行が認められた。これによって対海賊作戦がより有機的に実施することができるようになったが、「様々な制約」がある日本でそれを有効活用することが果たしてできるだろうか。海上での船舶護衛だけでは限界がある。次のような作戦遂行を提案したい。

 現在行われている補給支援活動とともに、船舶護衛を実施する。それと平行してP-3C哨戒機による哨戒活動も実施する。護衛に使う艦船には特別警備隊も乗せて臨検活動を円滑に実施できるようにする。もちろん立入検査隊の訓練も各護衛艦ごとに強化する。万が一陸上での攻撃を余儀なくされた場合は特別警備隊およびヘリによる陸上攻撃作戦を実施する。特別警備隊にはあらかじめその他の海軍特殊部隊と同様に陸上での戦闘活動も付与しておき、訓練を実施することで兵力の有効活用を行う。

 以上はあくまでも将来的な一例だが、陸海空からの作戦実施が必要である。大兵力を投入できないのであれば少ない兵力で効果的に作戦を実施することが必要になる。海上自衛隊には単独で十分にそれを行うだけの能力を擁している。防衛費削減の傾向がある中で、これらの活動を重視してこれ以上の削減は避けるべきである。公務員削減という波を同じ「公務員」である自衛隊員にまで向けるというのは納得できない。「公務員」というくくりも変える必要があるのではないか。とにかく、話はそれたが自衛隊は「軍隊」ではなく、自衛官は「軍人」ではない。それは絶対に混同すべきではない。それゆえに幅広く効果的な活動ができずに現場部隊員を危険にさらすことは間違いない。この状況は変えるべきである。

 国内法の整備ができていない日本では、海賊の取り締まりができない。法律のバックアップがあってこそ、活動が可能になる。艦に警察権を付与し、自分の国で裁くことが海賊対策には必要になる。こうしたことも盛り込んでより確実な活動にしてほしい。

●特別警備隊の派遣を

 海賊対策には船舶への移乗、検査が必要になることもある。そこで、まさにそのために創設されたと言ってもいい「特別警備隊」の派遣を強く求めたい。特別警備隊はいまだ実戦には投入されていないとされており、ソマリア沖に派遣されれば初めて実戦を経験することになるかもしれない。訓練では経験できないことも実戦を通して経験することで、特別警備隊の存在意義があがるだろう。また、立入検査隊の更なる訓練と実際の活動も非常に有意義なものになるであろう。

●イエメンへ船舶供与

 ODAの無償資金協力の枠組みで、イエメンに巡視船、巡視艇を供与する方向で調整が進んでいるという。武器輸出3原則で禁止されている武器にあたるのは間違いないが、政府は「例外措置」として行う方針だという。さらに、イエメンに軍用への転用をしないことを約束させるというが、軍用とはどのような定義を言うのか。武器輸出3原則はなくすべきだと思っている。こういったわけのわからないものがあるから日本の安全保障はおかしくなるのである。軍備をするか、全てをなくすかのどちらかにすべきだと思っている。中途半端というのが一番たちが悪い。最悪な状況を想定して法律、装備を整備して行くのが安全保障であろう。大兵力を擁していてもそれを使えないというのであれば価値はない。

 巡視船供与はインドネシアの前例もあるが、こうした活動は積極的に行うべきである。日本の船が特定地域の安定に繋がることならばすべきではないのか。反対する理由がわからない。

●中国がソマリア沖に部隊派遣

 中国はソマリアでの海賊対策のために艦隊を派遣することを決定した。今月26日に出港する。内容は駆逐艦2隻、補給艦1隻、ヘリ2機、特殊部隊だという。日本は中国に先を越された形である。中国は今後おそらく積極的に海外派遣を実施してくることになるのではないかと思う。中国は空母の建造も「真剣に検討」するとしており、外洋海軍を目指す中国人民解放軍海軍はこれからも更に軍備を増強し、プレゼンスを増してくることであろう。

●契機はいつでもある

 ソマリア沖への海自艦隊派遣が実現すれば、新たな1ページを自衛隊の歴史に刻むことになる。しかし、不安が多く残されたままの派遣となることは間違いない。それは全て「憲法第9条」があるからであり、そのせいで人々が危険にさらされている。この現状を変えることはいつでもできる。契機はいつでもある。しかし、こうした具体的内容を検討するときがまさにいい機会になるのである。また、再三主張しているシーレーンの防衛にもこれは繋がる問題である。国民はこれを真剣に考えるべきである。

 自衛隊は統合運用の流れにあるが、各自衛隊の役割というものもはっきりさせるべきである。それぞれが何を行うことができるのか。それにもあらためて注目することも必要である。各自衛隊の能力を高めて少ない人員で効率よく作戦を遂行することはこれからさらに必要になることであろう。

 また、海軍設置の暁には陸戦隊も必要になると考えている。少し触れておくが、海外で大規模な部隊派遣や迅速な部隊派遣ができないときに機動部隊としてあらかじめ艦船とともに移動している海軍陸戦隊の必要性が高まることは間違いない。単なる上陸作戦だけではなく、海外邦人護衛・輸送、在外公館の警備など陸戦隊がやるべき仕事は多岐に渡る。陸空軍の応援を待つまでの間、機動的に作戦を行うことができるという面で必要であると考えている。海賊対策にも役に立つに違いない。これを機に考えてみるのもよいと思う。




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