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2008-12-10-Wed- [シリーズ]その時あなたは 3.テロの恐怖②~国内テロの時~

[シリーズ]その時あなたは
3.テロの恐怖②~国内テロの時~

 前回に続き「テロの恐怖」をお送りするが、今回は日本国内でのテロについてである。どのような可能性があり、そして日本のテロ対策はどのようになっているのかなどを紹介していきたい。


●日本国内テロの可能性

 日本でテロが起きる可能性はあるのか。もちろん可能性はある。テロと一概に言えないが、先日インドのムンバイで起きたような集団武力攻撃も十分考えられる。まずこの問題を考える前に、脳内にある「今まで何も無かったからこれからも・・・」という思いを全て捨ててほしい。日本は皆さんが思っているほどテロと無縁ではない。

 治安関係者の話によると、日本国内に潜伏している北朝鮮の工作員は約2万人だという。工作員といっても、その中で軍の訓練を受けている本当の精鋭は500人ほどだという。あとは何をしているのか。残りの彼らは市民生活に溶け込んで普通の生活を送っている。仕事にも就いていて、朝鮮人だということも周りに知られていないかもしれない。では何が目的なのか。彼らは指令を待っているのである。本国から指令が無ければ、その仕事を勤め上げて退職して行くものもある。仕事についていると言ったが、例えば電力会社にいて、ひとたび指令がきたら施設内の設備のスイッチ一つ落として電力供給に支障をきたしたりするなどである。このようなことを目的としている工作員が市民生活に溶け込んでいるのである。交通関係、医療、官庁など、社会にとって重要なところに潜伏しているかもしれない。これは脅威としか言いようがない。テロというのはテレビでやるほど派手ではないかもしれないということがお分かりいただけただろうか。明日、電車やバスに乗って隣にいる人がまさに工作員かもしれないということである。

 北朝鮮だけではない。日本には米国関係の施設が多数ある。特に米軍基地がその最たる例である。戦略的に対米工作を実施するために、海外からたくさんの工作員が日本にいると言われている。イランを例に取れば、もしイラン攻撃が実施された場合に正規戦闘で米国にダメージを与えることは困難であるため、奇襲を行ってくる可能性が高い。米国本土でももちろん行われるが、日本でも実施される可能性がある。こうした国際問題が日本にやってくることも十分認識しなければならない。

 工作員は直接テロを起こさないかもしれない。テロリストは外国人ではないかもしれない。市民の弱みに付け込んで工作を行ったり、扇動を行う可能性もある。直接手を下さないために背後にある暗黒勢力がどのようなものかがわからなくなることも考えられる。テロの背景にあるものは普通の国民にはわからない。情報機関の行動も不透明であるし、実際のところはよくわからない。まして自国民が主体的にテロを行うこともある。我々がただわかるのは、テロが起きて人が死ぬということだけである。

 可能性の問題も重要だが、日本は実際に恐ろしいテロを体験している。サリン事件である。サリン事件の背景などはいまだに詳しくはわからない。ただ、ここで考えたいのは化学物質が散布され、多数の被害者が出たということである。危機管理の観点から考えるが、実際にこのようなことが日本で起きている状態で、うかうかと生活できるはずが無い。この過去の経験は危機管理におおいに活かされるべきである。


●テロのその時

 どのようなテロが起きるだろうか。テロリストの側に立って考えてほしい。どのようにテロを起こせば被害を大きく、簡単に、社会的混乱を起こすことができるのか。「テロの恐怖①」で核兵器・放射能兵器に関して言及したが、それと同じほどの恐怖を通常爆弾で行うことができるとしたらどうだろうか。今、この狭い日本の中で危険と隣り合わせにあるのは原子力発電所である。原子力発電所の警備はさほど厳重なものではない。ましてや電力会社は雇っている職員の素性をしっかりと調べているのだろうか。原子力発電所が攻撃を受けて放射能汚染などの恐怖に駆られる人は少なくないはずだ。原子力発電所は基本的に警察や海上保安庁などで警備されている。これで大丈夫かどうかはわからない。まだ攻撃を受けてはいないから・・・。

 都市部でのNBC兵器によるテロは十分に脅威として考えられる。通常の爆弾、ムンバイでの集団襲撃などももちろん想定される。日本に拳銃や爆発物がないということはなく、一つ言えばオウムが保持していたとされる武器はダムに沈んだこととして片付けられて、いまだにどこに行ってしまったかよくわかっていない。こうした事実を知った上でいつどのように攻撃がなされるかということを考えなければならない。テロをする側にしてみれば、地下鉄や鉄道を狙ったテロは非常に効果的だと考えるだろう。爆破かBC兵器により、地下鉄サリン事件のようにテロがあるかもしれない。特に密閉性の高い車内はBC兵器で知らずの内に攻撃される可能性が高い。日ごろの注意が必要である。朝夕のラッシュ時は特に大変なことになる。混乱で秩序が維持できなくなれば、もはや警察も手に負えなくなる。自衛隊の治安出動という選択肢も考えられる。テロが単発で起きれば、テロ現場を封鎖し、汚染があれば汚染除去ということになるが、ムンバイの事例があるように都市が何日間も戦場になる可能性も十分に考えられる。東京各地で同時襲撃が実施されればそれこそ戒厳ものだが、日本には戒厳を敷くことができる法律はない。秩序の維持が難しくなれば新たなテロの標的となり更なる攻撃も予想される。

 ただ、とにかく恐ろしいのはやはり何らかの汚染である。NBC兵器による汚染は想像を絶するものになるであろう。前回述べたように潜伏期間があると、それだけ被害が拡散することになり恐怖から社会は機能しなくなる。被害拡大を抑制することが求められる。

 また、テロ後にとるべき行動は、NBCRテロそれぞれにおいては前回の「テロの恐怖①」を参考にするとともに、自分でもよく調べてほしい。


●テロ対策

 こうしたテロを防ぐには海外からの工作員、テロリスト、武器の侵入を防ぐということが重要になってくる。しかし、本当に阻止できるのだろうか。ここで、北朝鮮による拉致事件を思い出してほしい。これは単なる誘拐事件ではない。完全なテロである。そして、もっと恐ろしいことは工作員が海岸から上陸して人をさらっていったということである。つまり、工作員は日本国内に簡単に侵入できたということであり、この時代のままの警備体制であれば今でもテロリストの侵入が行われる可能性はある。果たして警備体制は強化されているのだろうか。「まさか、海を渡ってテロリストが来るわけがない」という油断は皆さんにもないだろうか。あるなら冒頭で述べたようにそういった心理は捨て去ってほしい。

 水際、空港での阻止は非常に重要である。テロ対策訓練として港で何度も訓練が繰り返されている。再びムンバイでのテロを例に取るが、襲撃をした武装グループは海から上陸したとされ、四面を海で囲まれている日本はその可能性が最も高いだろう。海上保安庁などの取り組みは今後さらに重要性を増していくに違いない。

 テロの阻止は絶対に必要であり、政府もそのことに関してはしっかりと認識しているであろうと信じているが、本当に重要なのは万が一にもテロが起きてしまったときにどうするかではないだろうか。危機管理をしっかりと行わなければ事態を収拾することはできない。また、誰が何を起こしたかを判断するためには事前にある程度の情報も必要である。諜報活動はやはり欠かせない。日本の公安は工作員などの所在を把握しているが取り締まらない。というより取り締まれない。法律がないのである。それとともに彼らを泳がせて活動を監視しているという面もある。

 鉄道に対するテロ対策は絶対に必要である。車両基地にいた車両に落書きがなされた事件を覚えているだろうか。あのように簡単に入られるような状況では、いつ爆弾を仕掛けられてもおかしくない。また、運行中でも駅構内、車内ともに警察官の巡回を強化しなければならない。バスなどのその他の交通機関にも言えることである。


●地下鉄サリン事件での病院の危機管理

 1995年のあの忌まわしいテロ事件。あの時、聖路加病院は今のテロ対策に非常に役立つ活躍をしてくれた。廊下やフロアがとても広く、礼拝堂も備え、いたるところに酸素供給口を設けており、豪華であると非難を受けた聖路加病院。しかしこれらの設備のお陰で、このテロ事件での大量な被害者を受け入れることができたのである。院長の日野原重明氏は戦中の空襲における経験から、大規模な危機に対応できる病院をつくるという考えの下で巨大な建物をつくった。これが功を奏し、人命救助が効果的に行われたのである。危機対策がこれほどよく整った病院はなかなかない。テロ対策を行ううえで、被害がでた後に必要となる医療体制を整えることも非常に重要である。


●総括

 テロ対策を考える上で、テロの阻止は絶対に重要であるが、テロが起きた後のことを考えることも非常に重要である。いまだこの込み入った日本の都市内で大規模なテロが起きたときの対処体制が整っているとは到底思えない。今、必要なことは国外テロ対策支援よりも国内テロ対策の拡充ではないだろうか。また、やはり個人で危機意識を持つことが本当に重要であるように感じる。日常との小さな違いを見つけるという些細なことでも、テロ対策には非常に役に立つのである。そして、訓練などへの参加も必要である。個人レベルの意識を高めていくことが今後の課題であろう。

<[シリーズ]その時あなたは>最終日では、危機管理に関する総合的なNの考えを掲載する。そちらも是非見ていただきたい。




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