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2009-09-09-Wed- 21人に懲戒処分 特警隊員養成課程での死亡事案について

 この記事は昨年9月9日に発生した特別警備応用課程学生(当時3等海曹)が徒手格闘実施後に死亡するという事件についてである。事故調査委員会(調査委員海上自衛官8名)の報告を踏まえ、防衛省は21名に対して9月8日付で懲戒処分等を実施した。また、同時に最終報告書も公表された。

防衛省/懲戒処分等の内訳(PDF)

 海上自衛隊警務隊は今年6月に業務上過失致死容疑で教官2人、第3小隊長だった3佐、学生の3曹が倒れたときの相手だった別の3等海曹の計4人を書類送検した。その後広島地検が8月31日に教官1人(2曹)を略式起訴し、その他3人は嫌疑不十分で不起訴処分となった。


 以前から軍法会議について意見を述べてきたが、もし軍法会議が存在したならば今回の事件はどのような結論がでていただろうか。軍法会議の重要性は、判決がでるまでの課程と、きちんと公開された場での裁判であるということにあると思う。警務隊が捜査を行い、送検の後に今度は法務官が改めて事故の真相を明らかにする。また、自衛官もしくは軍人であるということも踏まえ、普通の裁判よりも厳しい判決が出るかもしれない。しかし、きちんととした裁判を行わなければ、軍法会議への遺族や国民の理解は得られない。軍法会議の問題点は多々あるが、これからの自衛隊にとって必要になっていくもののように思える。

 というのも、今まで「実戦」を経験したことのなかった自衛隊が掃海任務から始まり世界各地に派遣されるようになり、海賊対処任務という武器を持った相手がすぐ傍にいる状況での前方任務も行われているからである。もちろん海外派遣だけではなく、北朝鮮の不審船事案などもそうであるし当然他国の侵略というものも想定されているわけであるが、隊員の負傷・死亡の可能性が以前より格段に高まっている。そうしたなかで、前方配備部隊の実戦対応、部隊の武器使用の適正調査、自衛官の各地での犯罪対処、隊員へのケアなどが必要であると思う。

 今回の死亡事案は特別警備隊の隊員を養成する課程でのことであった。特別警備隊というのは陸海空自衛隊の中で一番最初にできた特殊部隊で最前方に配備されることが予想される部隊である。そして、創設が2001年ということでまだ新しく、きちんと指導を行うべき隊長や幹部に対する指導がまだ足りないということがいえるかもしれない。70人ほどしかいない部隊の中で、隊長や幹部は教育を行う幹部・曹の性格や能力を把握して適切に配置を行う必要がある。今回の最終報告書要旨の中で、原因についてそれが欠如していた可能性が指摘されている部分を抜き出してみる。

 格闘を指導する技量がなかった小隊幹部と教官が、連続格闘の危険性や学生の技量を判断できず、安全対策を十分とらないまま、必要性がなく、危険性が高い連続格闘をさせたことが主因。
 副因は、隊長と教育担当の小隊長の不適切な指導監督。隊長は教官の格闘に対する熱意を評価し、客観的な基準なしに安易に担当させ、連続格闘を容認した。



 また、前方配備部隊の自覚を持って最前線での状況に対応できるような隊員の育成に望まなければならない。特に強調するが、過酷な状況下での作戦遂行が求められる特別警備隊に関連する事件である。単に指揮監督を徹底するという問題ではなく、幹部の教育から、部隊の根幹をもう一度徹底する必要があるのではないのだろうか。創設からまだ日が浅いということはいいわけにはならないが、慎重さが求められる。また、今回の格闘は伝統のようなものとされている。これがすでに特別警備隊員になっている者に対して行われる実戦訓練ならば理解できる。辞めようとしている隊員に対してこのような格闘訓練を行うのは明らかに行き過ぎているように思える。ただ、これに臆して実際の特別警備隊で過酷な訓練が行われなくなってしまうというのも困る。特別警備隊は実戦に一番近い最前方配備部隊の一つである。どんなに危険でも訓練のための訓練ではなく、常に実戦を想定した訓練を行ってほしいということを国民の1人として願いたい。

 そして、実戦に近い部隊が増え、前方に配備される部隊が増えれば隊員の死亡や武器の使用など様々な問題が浮上する。イラク派遣での35人の自衛官が死亡した中で「不明」という原因があったが、そのようなことがないように全てを調査し、できる限り公表しなければならない。武器使用も本来は交戦規定(部隊行動基準)を定め、それを部隊(艦艇など)に配備されている法務官がきちんと管理し、艦長などの指揮官に助言を行うような形が望ましい。武器使用は抑制的であるべきであるのは当然のことであるが、適切に使用できるような自衛隊側の厳重な管理体制が必要ではないだろうか。そういった中できちんと捜査・調査ができることを自衛隊が証明できなければ国民の理解と信頼は得られないのではないだろうか。国民の理解があっての自衛隊なのであるから。

 話はそれてしまったが、とにかくもう一度最後にまとめると、こうした事件に適切に対処できることをしっかりと示し、実戦対応をきちんととりつつも自浄能力があることをきちんと示すことが自衛隊への信頼回復につながると一国民として考えた次第である。




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