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2009-08-31-Mon- 防衛省概算要求に19500トンの22DDH 海上保安庁も巡視船

 今日発表された平成22年度概算要求の概要を読んで少し驚いた。色々な項目があるなかで目を特に引いたのが新規のDDH(22DDH)の建造である。イメージを見ると、ヘリのスポットがなんと5つもある。これは間違えて多く描かれたのかと一瞬思ったが、更に格納庫について「大型車両・大型ヘリ等の輸送能力」とかかれており、ひゅうが型よりも大型の護衛艦を整備するつもりだということがわかった。しらね型護衛艦の後継であるが、ひゅうが型に続いて同程度のものになると考えていただけにこの要求は正直驚いた。

 これについて時事通信の報道で詳細が書かれている。

時事通信/最大の「空母型」護衛艦配備方針=ヘリ14機、洋上給油も-防衛省

 概要については基準排水量19500トンで概算要求額は1166億円、ヘリが5機同時発着艦可能で補給艦の半分程度だが他の艦船への洋上給油もできる。全長248メートルでひゅうが型より51メートル長く、甲板と格納庫に14機のヘリを搭載する。さらに陸自のトラック約50台と約4000人(?)の人員を輸送可能である。

 海上自衛隊ではひゅうが型に続き「護衛艦」という言葉を使い続けているが、それも限界ではないだろうか。ヘリ空母、輸送艦(揚陸艦)、補給艦といった能力を備えた今度の「護衛艦」は紛れもなく多目的艦であり軽空母である。空母といっても米海軍が保有するような強力な打撃力を保持するものでもなく、ヘリだけを運用するようなものでもない多目的軽空母というところだろうか。

 PDF内の絵を見ると後方にサイドエレベータがあり、CIWSはあるもののひゅうが型には搭載されていたVLSが描かれておらず、個艦防御が不安になるが、もう少し大きいものでF-35Bを運用できたらどんなに心強いかとも思ってしまう。ただ、こうした軽空母を守るためにあるのがイージス護衛艦であり、護衛艦と艦隊を組んで動くことは当然のことであろう。防衛省は22DDHについて「国際平和協力活動、災害派遣、邦人輸送等の多様な事態において、洋上拠点となる輸送機能等を強化」としている。これだけの艦であると今後のインド洋での展開が期待される。

 民主党政権は来年で海上自衛隊の補給艦を補給支援活動から撤退させる方針である。私は以前から補給艦を海賊対処行動水上部隊に編入すべきだと主張してきたが、洋上拠点となりうるひゅうが型護衛艦や22DDHをインド洋(特にアラビア海)に派遣することで、海賊対処はもちろんのこと中東での不測の事態に際しての邦人輸送などにも役にたつかもしれない。現在の海賊対処部隊と海上補給支援部隊を統合し、それにDDHとイージスを加えた5~7隻のインド洋派遣艦隊を編成することでより多くの任務をこなすことができるようになるだろう。それに加えてその後どうなったか国民には知らされていないディエゴガルシアとオマーンへの固定翼哨戒機P-3C部隊の展開についても検討し、よりシーレーン防衛強化を図ってはどうだろうか。

 22年度概算要求に書かれているが、自衛隊は「中東・アフリカ地域において、自衛隊の現地活動の調整、関係国軍との協議、情報収集等を現地で行う体制を整備」を目指しているようであり、平成21年度防衛予算では情報本部のアフリカ地域情報能力強化を謳っており、今後は中東からアフリカにかけてPKOを含めた自衛隊派遣が活発化することが予想される。これは民主党になっても変わらない。海賊対処やスーダン、ゴラン高原への自衛官派遣は引き続き継続されるだろうし、アフガニスタンへの陸自派遣やイラク再派遣の可能性だってあるかもしれない。また、アフリカでのPKO活動に新たに多数の人員派遣も考えられる。そういった状況下で海上輸送の安定を図り、物資輸送などにも寄与するためにもまずは海上における影響力を保持し、洋上拠点を設けることが重要ではないだろうか。

 また、海上保安庁は平成22年度概算要求に遠方海域・重大事案への対応体制強化として、遠洋での長期活動が行える巡視船の建造予算を盛り込んだ。4ヵ年で320億円を計上し、初年度建造費80億円を明記した。海上保安庁が能力増強を図り、海上自衛隊と共同で互いに補いながら作戦を実施するようになることが一番望ましい。海上自衛隊は何隻も海賊対処にまわすわけにもいかないし、海上保安庁も独力で任務に当たるのは不可能である。民主党政権はもし防衛予算を減らすならばそのかわり海上保安庁に予算をまわしてほしい。そうなればより強固な海上輸送路の確保を実施することができる。

 22DDHから巡視船まで今すぐにできるわけでもないし、隊員の訓練も必要だし、特に22DDHに関しては予算がまったくつかないことも容易に予想できる。インド洋派遣艦隊構想についてはかなり規模の小さいものでとまってしまうかもしれない。特に海上自衛隊においては、DDHに搭載するSH-60Kヘリコプターの調達予定数が大幅に減らされ、対潜能力が大幅に落ちている。定員も少ない中であれだけの装備を運用してきたのにもかかわらずである。それに民主党政権が防衛予算に「無駄な」メスをいれるとなれば大いに注目すべきである。一度人員装備を減らしてしまうと後から何かあったとき元に戻すのに時間がかかる。現状を維持するだけでも相当の労力がかかるのである。今の時期に予算が割けないと考えるのは仕方がない。しかし、防衛省と海上保安庁どちらの概算要求をみても国の安全と国益の確保を考えればどれも必要なものに違いない。今回は特に限定して紹介しているが時間があればPDFファイルに目を通すのも悪くないだろう。経済危機だからこそ防衛産業に活力を取り戻すという考えもある。国の根幹についての問題であるがゆえにしっかりと考えなくてはならない。




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