FC2ブログ


Nの軍事ブログ

ご批判、意見、訂正など是非お願いいたします。何か情報があれば是非コメントをお待ちしております。
2009-08-29-Sat- 民主が防衛大綱改定を先送りへ 今後の国防を考える

 産経新聞は、民主党が防衛大綱(防衛計画の大綱)の改定を先送りすると報じた。

産経新聞/民主、防衛大綱改定を来年に先送りへ 混乱は必至

 政府は今年度末に切り替わる防衛大綱の改定を年末に予定していた。しかし、民主党が政権をとった後には内容を再検討し、見直すというのである。

 日本は何年にもわたって軍縮をしてきた。戦車、護衛艦、戦闘機といった正面装備は少しずつ削減され、定員に満たない人員も定数を減らされ続けてきた。しかし、最近の北朝鮮の脅威がようやく認識された?のか、今度の防衛大綱改定においてついに方針を転換する可能性が大であった。共同通信が報じた新防衛大綱の基本方針の内容によれば、

中国の軍事的な台頭や北朝鮮の核、ミサイル開発を踏まえ「装備、要員の縮減方針の転換を図る必要がある」と明示。冷戦終結を受けて1995年策定の大綱から削減傾向にある予算を増額させる方向転換を打ち出した



ということである。つまり、散々軍事大国だといわれていたにもかかわらず実は軍縮していたが、それも限界に近づいたということであろう。この基本方針の中では陸自の定員増の検討がうたわれており、予算と人員の両方を増やすというここ10年ほどでの大きな転換である。ようやく縮小に歯止めがかかると思った矢先に民主党のこの動きである。産経の記事にもあるが、防衛大綱改定が阻止されれば5年ごとの装備調達などを決める中期防衛力整備計画も閣議決定できず大きな遅れがでてしまうことになる。

 民主党の政権公約をみればわかることだが、冊子の一番最後にそれまでカラーがでてきたのにも関わらず白黒になったページに「外交」とだけ書かれており、安全保障の文字はでてこない。民主党の政策面での心配(海賊対処やPKOなど)はそれほど大きなものではないが、予算の削減が最も懸念すべきことである。一度大幅な削減がなされるとそれを再びもとに戻すのは容易ではない。例えば、これらは週刊オブイェクトでも散々言われていることだが民主党のマニフェスト2003を見ると、機甲師団の廃止や戦車・火砲の20%縮減といったことが具体的に書かれている。本気でこんなことを考えているのかどうかわからないが、民主党のマニフェスト/政策集をみると「マニフェストは、国政選挙の都度、社会情勢等を考慮して必要な政策を検討し、国民の皆さんに党のお約束として提示するものです。従って、その内容は深化、変化していきます。」と書かれていた。どのように「深化」、「変化」しているのか示してほしい。政権をとってから5000億円削減しますと言われても財務省は喜ぶかもしれないが国民の多くは喜ばないだろう。

 防衛費削減は何も数が示す防衛力が損なわれるだけではない。軍縮をしてきたせいで直に影響を与えている。

朝日新聞/防衛産業、撤退相次ぐ 予算削減で装備品の発注減

 軍縮は防衛産業に大きな影響をもたらす。輸出ができないために単価は高く、一方で今まで高くても調達してきたものすら調達しなくなる。これはひどい状況である。防衛大綱改定では武器輸出三原則の一部見直しも提言されていた。F-Xにも関わる話だが、F-35のような共同開発から取り残されないようにするために三原則の一部見直しを「安全保障と防衛力に関する懇談会」は提言した。個人的にF-35の共同開発に参加できなかったことは非常に大きな損失だと思う。JSFの開発参加において最低でもレベル3パートナーになることができていればと悔やんでしまう。日本は「無事故」を重視することから双発の戦闘機を導入する傾向にあるが、F-22よりも色々な面でいい戦闘機である。個人的な趣味としては、F-35B(STOVLタイプ)を海上自衛隊の地上航空部隊に配備してほしいと考えているw。

 次期主力戦闘機導入については当面F-15の改修で乗り切るしかないだろう。この間横田基地で見てきたが、F-22の配備にははじめから反対だったのでよかったと思っている。貴重な航空自衛隊の予算から莫大な予算を割く必要はない。それよりミサイル防衛につぎ込むべきである。

 民主党の勝利は目前に迫っており、これから民主党政権の動向が気になるところではあるが、ミサイル防衛に関しては積極的な姿勢を示しており、ミサイル防衛の早期整備には期待できるかもしれない。これが安全保障政策で唯一期待できるかもしれない。防衛大綱や中期防にも記載される可能性があったのが現在米陸軍開発したTHAADミサイルである。現在、中間段階(大気圏外)での迎撃を行う海上配備のSM-3と終末段階(大気圏再突入後)での迎撃を想定したPAC-3を配備している日本にとって第3の迎撃ミサイルシステムということになる。THAAD(サード)ミサイルは短及び中距離弾道弾の迎撃を想定しており、北朝鮮の中距離弾道弾ノドンの脅威を最も感じている日本にとっては期待度の高いものである。また、PAC-3よりも広い範囲をカバーできることもあり、予算の優先順位をつけるならばTHAADを1位とすべきだろう。

 そもそもミサイル防衛に力を入れている米国のBMD構想はブースト段階から順に、ABL、KEI、イージスBMD(SM-3、地上配備SM-3も開発へ)、GMD(GBI)、THAAD、イージスBMD(SM-2)、PAC-3など("など"というのは共同開発の他のシステムがあるため)、という7段階で計画されている。以前本ブログでも紹介したABL(エアボーンレーザー)などはまだ開発中であるが、BMDはこれだけの重構造で構築されているのである。そのうち日本は2段階しか採用していない。日本はこれから、予算の限界を考えて費用対効果のよいものを厳選しなくてはならない。

 民主党の安全保障政策は、防衛費削減や正面装備の削減といった愚かなものがなければ海賊対処の継続やミサイル防衛の整備、PKOへの積極参加などを考えればまずまずなものなのかもしれない。しかし、社民党がからんでくると話が変わってくる。国防に大きな穴が開かなければいいとは思う。海外派遣や集団的自衛権行使にこだわってきた自民党に民主党がかわるのであれば国内の防衛力整備をしっかりとやってほしい。まずは、与那国島への自衛隊配備から始まるだろうか。国境に陸海空自衛隊部隊を配備するということは特定の国を警戒するというものではない。中国も台湾も韓国も「敵」ではない。不測の事態に対処するには隙間なく国土を守る義務が政府にはある。誰がどのようにくるかわからないが、考えうる可能性により多く対応できるようにしておくのが政府の責任であり、自衛隊の任務であろう。そういうことを徹底できるような政府になってほしい。それと最後にひとつだけ。海賊対処でのP-3C派遣前にジブチ、ディエゴガルシア、オマーンを結ぶ三角地帯の哨戒を行う話がでていたが、「緊密で対等な日米同盟関係」を謳うならば、米軍の日本駐留の代わりに米英軍の拠点であるディエゴガルシアに海上自衛隊部隊を駐留させろと米国に言ってみてはどうだろうか。もちろん海賊対処任務のためであるが。




コラム | trackback(0) | comment(0) |


<<米海軍長官が硫黄島を訪問 横須賀にも | TOP | 今日の報告20090825>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://96483.blog59.fc2.com/tb.php/251-b3154086

| TOP |

●訪問者数

2009年11月19日から


いままでの単純HIT数
ブログパーツUL5

●BLOG内記事検索

●プロフィール

N

Author:N
 
自衛隊、日本関連の軍事情報を中心に運営しています。

▼リンク


このブログをリンクに追加する

●最新記事

●最新コメント

●最新トラックバック

●日付別記事一覧

08 | 2020/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

●月別アーカイブ

●カテゴリ

●注目!!!

クリックをお願いします


軍事 ブログネットワーク

単純HIT経過


QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RMT