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Nの軍事ブログ

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2009-07-03-Fri- [シリーズ]海上自衛隊の戦力を強化せよ 3.輸送艦と水陸両用戦と離島保護

 陸上自衛隊の海外活動や災害派遣などにおける人員・物資の輸送、離れた地点への兵力投入など輸送艦の活動は非常に重要である。特に、日本は四面を海で囲まれているほか、島を多く有することから、有事の際に陸自兵力を移動させ、展開することが必要となる。共同転地演習という陸上自衛隊の機動展開演習も行われているが、あくまでもこれは部隊の「移動」がメインとなっており、島嶼などを奪還するための水陸両用作戦の訓練とはいえない。水陸両用作戦を実施するための揚陸能力がなければ島嶼奪還のための上陸作戦はできないのだが、現在の海上自衛隊の輸送艦部隊にはそのような能力が欠落しており、作戦として遂行することが難しい言っていい状態にある。

 海上自衛隊の輸送艦部隊は現在護衛艦隊隷下の第1輸送隊である。第1輸送隊は3隻の輸送艦と第1エアクッション艇隊からなっている。輸送艦はエアクッション挺LCACと呼ばれる上陸用舟艇を搭載可能で、これによって輸送艦から揚陸地点の海岸へ揚陸を行う。輸送艦には武装した隊員330人、90式戦車10両、大型の車両など40両を搭載可能で、ヘリが発着艦を行うスポットがあるもののヘリを整備する能力がないため両用作戦が実施できない。

 水陸両用作戦は輸送艦(揚陸艦)、水陸両用車、上陸用舟艇、各上陸部隊、攻撃機(ヘリも含む)などによって行われる。日本にはいわゆる海兵や強襲揚陸車両が存在しないが、百歩譲って陸自の上陸を得意とした部隊を使い、作戦を実施しようとしても攻撃ヘリや攻撃機による航空支援が期待できないため、作戦遂行がほぼ不可能となる。それに、日本で有事が発生し、日本にとって最も重要かつ狙われやすい南西方面(沖縄)の島嶼占領が起きた場合、迅速に拠点破壊そして奪還を試みる必要があるが、輸送艦3隻しか揚陸艦艇がないため常時あらゆるところからの部隊移動ができず、さらに航空自衛隊の那覇基地には少数の戦闘機しかないため航空支援もあまり期待できない。迅速に行う必要がある両用作戦を実施することがほぼ不可能である、ということがおわかりいただけるだろうか。

 離島保護という観点から、離島へ兵力を迅速に移動・展開し周辺の海空域を抑えることは重要である。それこそ予算を割くべきことであるにもかかわらず、両用作戦に特化した「海兵」が存在せず、輸送艦は3隻しかなく攻撃ヘリや攻撃機の運用ができないため揚陸艦とは言えず、本当に単なる輸送を任務とする「輸送艦」であるため日本がすべき迅速な離島保護は期待できない。

 これが海上自衛隊をはじめ自衛隊の現実である。まさに離島を切り捨て、本土を守ろうという「国防戦略」なのだろうか。大戦で離島を切り捨てた戦略と同じ方針をとるつもりなのか、このような状況は改善されなければならない。それにはどうすればいいのか。緊急措置としてLCACを運用できる輸送艦とヘリを運用できるひゅうが型護衛艦を組み合せて揚陸態勢をつくるという方法がある。ただ、ひゅうがではヘリしか運用することができないため、ハリアーのような固定翼攻撃機による支援は期待できず攻撃ヘリによるもののみにとどまる。それに、建造数も少ないため、やはりLCACやその他の車両と航空機の運用ができるような揚陸艦を新たに造り、配備する必要があるのではないだろうか。現在の輸送艦は部隊の輸送のみならず洋上基地としての能力もあるため活用方法は他にもあるが、揚陸部隊の迅速な投入、支援が行えるような艦艇が必要である。

 日本が導入を検討すべきなのは、海上自衛隊の装備品を例使うと、ひゅうがのような航空機の運用のために全通甲板を保有し、なおかつおおすみのようなLCACなどの上陸用ホバークラフトなどを運用できるウェルドックを持つ艦ではないだろうか。近年、このような艦が各国で建造されている。隣の国韓国でも揚陸艦「独島」が建造されている。より多くの任務に対応するため1つの艦で揚艦、軽空母という2つの艦の能力を持つ艦も存在する。スペインが整備を進めているフアン・カルロス1世は揚陸艦に加えて軽空母としてのい運用が可能である。軍備増強計画をうちだしたオーストラリア海軍はこれに準ずるキャンベラ級強襲揚陸艦を計画中である。日本がどのような揚陸艦を整備するにせよ、水陸両用作戦に必要なものを搭載することができなければならず、全体的な戦力として規模も大きいものでなくてはならない。各艦が小さくとも必要な要素を全て備えたものが必要である。また、軽空母を兼ねたものを数隻用意し、揚陸艦に特化したものを別に数隻建造するのも悪くない。そして、このような艦艇はそれだけに使用するのではなく、洋上基地として様々な活躍をすることができる。災害派遣時に役立ち、病院としての活用することもできるだろう。揚陸艦は多目的に活用することができる艦なのである。

 さて、揚陸艦に関して述べてきたが、水陸両用作戦に欠かせないのがメインとなる「海兵」の存在である。海兵隊をつくるべきという意見や陸上自衛隊に海兵隊のような能力を加えるべきだという意見など様々なものがあると思うが、Nの意見はNの総合軍事政策で以前から記している海上自衛隊(もしくは海軍)に「陸戦隊」を設けるというものである。これは、陸戦隊が活動する上で多くの場合艦艇を利用するからである。水陸両用作戦を実施するうえで統合運用が必要となる。少しでも自衛隊間で生じる問題を抑える上でも海上自衛隊の下に陸戦隊を置くというのがいいと考えた。それに、米国の海兵隊のような巨大な組織になるわけでもないというのも理由にある。

 陸戦隊の任務は主に機動力を必要とする作戦の遂行になる。水陸両用作戦のほか、艦艇の海外展開中における邦人救出や災害派遣など活動範囲は広大である。まさしく、即応力をもった機動部隊というところだろうか。海外派遣や海上自衛隊基地や艦艇警備、在外公館への派遣などの任務につくこともできる。ただ、陸戦隊をつくるにあたっては陸上自衛隊の兵力をどうするかという問題がでてくる。削減し、その分を海上自衛隊に移すというような方法をとるのか、陸自の兵力はそのまま維持して陸戦隊を創設するのか。予算的には陸自を削減して海自を増やすという方向が現実的だが(もっともこの中での話では結構な予算が必要になるのだが)、陸自を再編して離島への分配を増やす方向に行けば陸自兵力を維持するほうがよくなるかもしれない。繰り返すようだが、日本は離島を多く有している島国であるため離島への部隊展開や揚陸艦や輸送艦による各地への部隊投入が迅速かつ大規模に行われる必要がある。国土を守らなければならない状況になれば、島嶼駐留部隊支援のために陸戦隊等を投入し、陸自からの大規模な兵力展開に期待するという方針をとらねばならない。海上自衛隊の艦艇と陸戦隊が連携することで離島保護を始め国土を守るための効果的な作戦がとれるだろう。

 揚陸艦や兼軽空母を導入することになれば航空機が必要になる。航空機は輸送や攻撃に使用される。どちらもCTOL機ではなくヘリやSTOVL機の運用になるだろう。ヘリに関しては艦への重要な要素となる輸送を担う輸送ヘリを多く配備する必要があると思う。他からの物資や人員の輸送、作戦時の兵員投入にも利用する。攻撃機として導入するとしたらF-35Bだろうか。航空機に関しては後のシリーズの中でまとめることにしたい。

 輸送艦ではなく、揚陸艦の建造を行うことや陸戦隊の創設など離島保護を重視した体制を整備すべきと述べてきた。水陸両用作戦を実施するために揚陸艦は必要だが、単に部隊を移動させる輸送艦ももちろん必要だと思う。今あるおおすみ型輸送艦に準ずるような揚陸艦ではない輸送艦をさらに建造することも陸自の部隊を輸送するためや物資輸送などに必要だろう。離島に部隊を駐留させ、市民に直接の安心感を与えるのはもちろんのこと、離島でのいかなる有事にも迅速に対応できる体制整備が必要である。防衛省は日本最西端の与那国島への陸自駐留を検討する方針を固め、対馬への兵力増強も行われるかもしれない。離島保護は海上自衛隊だけでなく全ての自衛隊に共通する重要課題である。自衛隊は愚かな政治とは関係なく、国土全てを守るためにはどうするべきとかいうことを考え、できる範囲内で独自の再編計画を実行し、自衛隊がやるべきことをただやるべきである。




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