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2009-06-04-Thu- 国防体制を見直す議論を 現実に即した対応を

 北朝鮮が核実験を行い、「核ノドン」が将来的に実現するかもしれないという恐れが高まる中で、日本の国防体制はどうあるべきなのか。年末の防衛計画の大綱改定に向けて自民党国防部会は提言案をまとめた。最近よくでてくる敵基地攻撃能力の保有も盛り込まれている。

 日本にとって脅威なのは射程1300キロメートルといわれるノドンである。韓国にとっては短距離ミサイルが常に脅威であり、それが大量に発射された場合ソウルが火の海になるということは言う必要もないだろう。ノドンは日本のほぼ全てを射程圏内におさめ、西は北京も射程に入っている。中距離ミサイルノドンに核弾頭が搭載されて日本に向けて発射され、日本に落下すれば日本は3度目の核攻撃を受けることになる。第二次世界大戦で核攻撃を受け、64年経った今も核の脅威にさらされなければならない日本は、再び悲劇を起こさせないためにも核攻撃という最悪のシナリオを阻止しなければならない。

 そのためにはミサイルを迎撃するという受身の防衛だけではなく、ミサイルの発射そのものを攻撃によって阻止しようというのが敵基地攻撃というものである。その敵基地攻撃の能力を保有すべきだという提言が自民党国防部会の中でまとめられた。米軍の力とあわせて日本も独自に攻撃能力を保持しようというもので、海上発射型巡航ミサイル導入が挙げられている。例を挙げればトマホークのような巡航ミサイルを保有し、水上艦艇や潜水艦に搭載しようということを考えているのであろう。しかし、これだけではとてもミサイル基地を攻撃できるとは思えないし、それに効果も期待できないだろう。北朝鮮のミサイル発射準備は衛星による監視によってわかっているが、これは監視されていることをわかっている北朝鮮が発射を強調するために見せ付けているという側面もあり、ICBMのようなものでは燃料注入に時間がかかるためにいまかいまかと構えることが一応は可能なのである。しかし、ノドンはテポドンのような長距離弾道弾ではないため、燃料注入にもたいした時間がかからず、仮に地下サイロなどで発射準備がされれば衛星で確認することが難しく、さらにそれが車両で移動されたりすればトマホークでの攻撃は難しくなる。北朝鮮もミサイル攻撃を本気で考えているならば見せ掛けと本気をうまく組み合せて衛星による監視を逆手にとって準備をするかもしれない。

 海上発射型巡航ミサイルのほかに攻撃方法を考えるとすれば航空機による空爆が挙げられる。しかし、それにも相当な装備が必要になる。大規模な攻撃が実施できるのは米軍のように国防予算が潤沢にあり、性能のいい装備を大量に導入できる軍しかないだろう。日本が行うにしても日本からでは距離があるし、ステルス戦闘攻撃機や戦略爆撃機を導入し、米軍からの情報などで攻撃を行うしかないのではないだろうか。しかし、それでも莫大な予算をつける必要があり、トマホークと同様に早急な導入はできないし、現実的でもない。軽空母程度の空母航空戦力の保持を計画するならまた話が変わるかもしれないが莫大な予算が必要となる。

 盾と矛と言われるように盾は日本自身が、矛は米軍の打撃力に期待するしか現実に即した国防体制はないと思われる。すぐに導入できない以上、即応力をもった対応は敵基地攻撃能力には期待できない。では、日本自身が行う盾とはなにか。それはMDである。MD体制を整備するのが今一番確実な方法ではないか。確実な方法であるとはいえ、迎撃量には限界があり、命中精度にも疑問が残るが、それでも敵基地攻撃能力を保有するよりは確実な方法である。

 とにかく、こうした非現実的な装備の導入を考えるよりもこれから比較的短い時間で準備できる体制を着実に整備するほうが現実に即している。とりあえず、これから防衛予算の削減と装備の削減は絶対にすべきではないということは言うまでもないだろう。自民党国防部会防衛政策検討小委員会がまとめた提言には内閣直轄の対外諜報機関や日本版NSCの設置、共同開発のための武器輸出三原則の緩和、離島の領域警備体制の強化なども盛り込まれている。これらは非常に評価できるものである。

 各国の動向を調査し、日本の国防に生かすということは必ず必要で、入ってくる情報に乏しい日本にとって諜報機関の設置は絶対に必要である。特に、アジアでの活動が重要な情報の獲得につながるに違いない。内閣直轄の情報機関のほかに防衛省にも設けるべきだろう。武器輸出三原則の緩和は非常に歓迎すべきことである。共同開発に限らず、必要とされる装備品の輸出はできるならば行うべきである。例えば海賊対処のために活用されたりするなど各地域の安定に貢献できる可能性も高く、外交カードとして活用することもできる。軍事を外交に生かすというのはこういうことではないか。できれば国産の小銃なども輸出ができればいいのだが、実戦経験のない戦場で使えるかどうかわからない小銃を買ってくれる国があるかどうかわからない(おそらく買ってくれる国はないだろうし、買うとしたら安価で実戦経験豊富な米国の銃などを輸入するだろう)。

 国境付近の離島警備を強化することは当たり前である。島を次々に隣国に掠めとられてしまう。陸上自衛隊部隊の拡充や哨戒機による警戒活動の強化と強制措置実施の緩和、ミサイル艇による警備強化などが必要ではないか。人員削減などもってのほかで、海上自衛隊と航空自衛隊それぞれ今の1.5倍規模くらいの人員があってもいいと思う。削減したものを取り返すことはできないがこれから増やすことはできる。国産装備品の増強も必要である。まず日本列島防衛を優先し、穴を埋めていく必要がある。

 冒頭での核ノドンの他に核の脅威はもう一つある。それは核爆弾の日本国内への持ち込みである。持ち込まれるとすれば海上輸送の可能性が一番高い。領海警備をしっかりやることは重要である。海上保安庁に予算をもっと振り分けて穴を少しでも埋めることが、海岸線の長い日本にとっては必要であることは何回も言うまでもない。それに伴い海上自衛隊の哨戒活動も本当に重要である。そして、臨検活動を自由にできるようにすることも今必要となっている。周辺事態として認められずとも平時において脅威を摘み取っておくことができなければ意味がない。北朝鮮の軍事恫喝をこれ以上させないためにも、拉致被害者を取り戻すためにも法整備をしなければならない。それも、その場しのぎの法整備では意味がない。また、核兵器保有議論も積極的に行い、何故必要なのか、必要でないのかということを詰めて話しあうこともしたほうがいい。個人的には核兵器の保有はすべきではないと考えているが。

 とにかく、国防体制の縮小を唱える政党に政権を担当することは許されない。この状況になってそんなことを言っている政党や政治家は国と日本国民を危険にさらすということを確認する必要がある。このタイミングでの総選挙は日本国民がどれだけ賢いかということを判断する材料にもなりそうだ。




 しばらく休みました。これからは少しづつ更新する予定です。




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