Nの軍事ブログ

ご批判、意見、訂正など是非お願いいたします。何か情報があれば是非コメントをお待ちしております。
------------ スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2009-07-03-Fri- [シリーズ]海上自衛隊の戦力を強化せよ 3.輸送艦と水陸両用戦と離島保護

 陸上自衛隊の海外活動や災害派遣などにおける人員・物資の輸送、離れた地点への兵力投入など輸送艦の活動は非常に重要である。特に、日本は四面を海で囲まれているほか、島を多く有することから、有事の際に陸自兵力を移動させ、展開することが必要となる。共同転地演習という陸上自衛隊の機動展開演習も行われているが、あくまでもこれは部隊の「移動」がメインとなっており、島嶼などを奪還するための水陸両用作戦の訓練とはいえない。水陸両用作戦を実施するための揚陸能力がなければ島嶼奪還のための上陸作戦はできないのだが、現在の海上自衛隊の輸送艦部隊にはそのような能力が欠落しており、作戦として遂行することが難しい言っていい状態にある。

 海上自衛隊の輸送艦部隊は現在護衛艦隊隷下の第1輸送隊である。第1輸送隊は3隻の輸送艦と第1エアクッション艇隊からなっている。輸送艦はエアクッション挺LCACと呼ばれる上陸用舟艇を搭載可能で、これによって輸送艦から揚陸地点の海岸へ揚陸を行う。輸送艦には武装した隊員330人、90式戦車10両、大型の車両など40両を搭載可能で、ヘリが発着艦を行うスポットがあるもののヘリを整備する能力がないため両用作戦が実施できない。

 水陸両用作戦は輸送艦(揚陸艦)、水陸両用車、上陸用舟艇、各上陸部隊、攻撃機(ヘリも含む)などによって行われる。日本にはいわゆる海兵や強襲揚陸車両が存在しないが、百歩譲って陸自の上陸を得意とした部隊を使い、作戦を実施しようとしても攻撃ヘリや攻撃機による航空支援が期待できないため、作戦遂行がほぼ不可能となる。それに、日本で有事が発生し、日本にとって最も重要かつ狙われやすい南西方面(沖縄)の島嶼占領が起きた場合、迅速に拠点破壊そして奪還を試みる必要があるが、輸送艦3隻しか揚陸艦艇がないため常時あらゆるところからの部隊移動ができず、さらに航空自衛隊の那覇基地には少数の戦闘機しかないため航空支援もあまり期待できない。迅速に行う必要がある両用作戦を実施することがほぼ不可能である、ということがおわかりいただけるだろうか。

 離島保護という観点から、離島へ兵力を迅速に移動・展開し周辺の海空域を抑えることは重要である。それこそ予算を割くべきことであるにもかかわらず、両用作戦に特化した「海兵」が存在せず、輸送艦は3隻しかなく攻撃ヘリや攻撃機の運用ができないため揚陸艦とは言えず、本当に単なる輸送を任務とする「輸送艦」であるため日本がすべき迅速な離島保護は期待できない。

 これが海上自衛隊をはじめ自衛隊の現実である。まさに離島を切り捨て、本土を守ろうという「国防戦略」なのだろうか。大戦で離島を切り捨てた戦略と同じ方針をとるつもりなのか、このような状況は改善されなければならない。それにはどうすればいいのか。緊急措置としてLCACを運用できる輸送艦とヘリを運用できるひゅうが型護衛艦を組み合せて揚陸態勢をつくるという方法がある。ただ、ひゅうがではヘリしか運用することができないため、ハリアーのような固定翼攻撃機による支援は期待できず攻撃ヘリによるもののみにとどまる。それに、建造数も少ないため、やはりLCACやその他の車両と航空機の運用ができるような揚陸艦を新たに造り、配備する必要があるのではないだろうか。現在の輸送艦は部隊の輸送のみならず洋上基地としての能力もあるため活用方法は他にもあるが、揚陸部隊の迅速な投入、支援が行えるような艦艇が必要である。

 日本が導入を検討すべきなのは、海上自衛隊の装備品を例使うと、ひゅうがのような航空機の運用のために全通甲板を保有し、なおかつおおすみのようなLCACなどの上陸用ホバークラフトなどを運用できるウェルドックを持つ艦ではないだろうか。近年、このような艦が各国で建造されている。隣の国韓国でも揚陸艦「独島」が建造されている。より多くの任務に対応するため1つの艦で揚艦、軽空母という2つの艦の能力を持つ艦も存在する。スペインが整備を進めているフアン・カルロス1世は揚陸艦に加えて軽空母としてのい運用が可能である。軍備増強計画をうちだしたオーストラリア海軍はこれに準ずるキャンベラ級強襲揚陸艦を計画中である。日本がどのような揚陸艦を整備するにせよ、水陸両用作戦に必要なものを搭載することができなければならず、全体的な戦力として規模も大きいものでなくてはならない。各艦が小さくとも必要な要素を全て備えたものが必要である。また、軽空母を兼ねたものを数隻用意し、揚陸艦に特化したものを別に数隻建造するのも悪くない。そして、このような艦艇はそれだけに使用するのではなく、洋上基地として様々な活躍をすることができる。災害派遣時に役立ち、病院としての活用することもできるだろう。揚陸艦は多目的に活用することができる艦なのである。

 さて、揚陸艦に関して述べてきたが、水陸両用作戦に欠かせないのがメインとなる「海兵」の存在である。海兵隊をつくるべきという意見や陸上自衛隊に海兵隊のような能力を加えるべきだという意見など様々なものがあると思うが、Nの意見はNの総合軍事政策で以前から記している海上自衛隊(もしくは海軍)に「陸戦隊」を設けるというものである。これは、陸戦隊が活動する上で多くの場合艦艇を利用するからである。水陸両用作戦を実施するうえで統合運用が必要となる。少しでも自衛隊間で生じる問題を抑える上でも海上自衛隊の下に陸戦隊を置くというのがいいと考えた。それに、米国の海兵隊のような巨大な組織になるわけでもないというのも理由にある。

 陸戦隊の任務は主に機動力を必要とする作戦の遂行になる。水陸両用作戦のほか、艦艇の海外展開中における邦人救出や災害派遣など活動範囲は広大である。まさしく、即応力をもった機動部隊というところだろうか。海外派遣や海上自衛隊基地や艦艇警備、在外公館への派遣などの任務につくこともできる。ただ、陸戦隊をつくるにあたっては陸上自衛隊の兵力をどうするかという問題がでてくる。削減し、その分を海上自衛隊に移すというような方法をとるのか、陸自の兵力はそのまま維持して陸戦隊を創設するのか。予算的には陸自を削減して海自を増やすという方向が現実的だが(もっともこの中での話では結構な予算が必要になるのだが)、陸自を再編して離島への分配を増やす方向に行けば陸自兵力を維持するほうがよくなるかもしれない。繰り返すようだが、日本は離島を多く有している島国であるため離島への部隊展開や揚陸艦や輸送艦による各地への部隊投入が迅速かつ大規模に行われる必要がある。国土を守らなければならない状況になれば、島嶼駐留部隊支援のために陸戦隊等を投入し、陸自からの大規模な兵力展開に期待するという方針をとらねばならない。海上自衛隊の艦艇と陸戦隊が連携することで離島保護を始め国土を守るための効果的な作戦がとれるだろう。

 揚陸艦や兼軽空母を導入することになれば航空機が必要になる。航空機は輸送や攻撃に使用される。どちらもCTOL機ではなくヘリやSTOVL機の運用になるだろう。ヘリに関しては艦への重要な要素となる輸送を担う輸送ヘリを多く配備する必要があると思う。他からの物資や人員の輸送、作戦時の兵員投入にも利用する。攻撃機として導入するとしたらF-35Bだろうか。航空機に関しては後のシリーズの中でまとめることにしたい。

 輸送艦ではなく、揚陸艦の建造を行うことや陸戦隊の創設など離島保護を重視した体制を整備すべきと述べてきた。水陸両用作戦を実施するために揚陸艦は必要だが、単に部隊を移動させる輸送艦ももちろん必要だと思う。今あるおおすみ型輸送艦に準ずるような揚陸艦ではない輸送艦をさらに建造することも陸自の部隊を輸送するためや物資輸送などに必要だろう。離島に部隊を駐留させ、市民に直接の安心感を与えるのはもちろんのこと、離島でのいかなる有事にも迅速に対応できる体制整備が必要である。防衛省は日本最西端の与那国島への陸自駐留を検討する方針を固め、対馬への兵力増強も行われるかもしれない。離島保護は海上自衛隊だけでなく全ての自衛隊に共通する重要課題である。自衛隊は愚かな政治とは関係なく、国土全てを守るためにはどうするべきとかいうことを考え、できる範囲内で独自の再編計画を実行し、自衛隊がやるべきことをただやるべきである。




スポンサーサイト

シリーズ | trackback(0) | comment(0) |


2009-06-23-Tue- [シリーズ]海上自衛隊の戦力を強化せよ 2.哨戒能力の強化を

 海上自衛隊の得意分野と言えば対機雷戦と対潜水艦戦の2つが挙げられるだろう。対潜水艦戦については海上自衛隊は対潜哨戒機を運用して対潜哨戒を行ってきた。しかし近年、今まで「対潜哨戒機」として運用されてきたP-3Cが単に「哨戒機」と呼ばれるようになった。これは対潜哨戒のみならず洋上監視などの活動が増えたために単に哨戒機とされるようになったのである。海上自衛隊のP-3Cは対潜哨戒能力を有しながら不審船や海賊などに対する哨戒(パトロール)活動を行うための高い能力をもっているとして期待されている。

 現在行われているソマリア沖アデン湾における海賊対処においては、海上自衛隊のP-3C哨戒機の洋上監視活動によって大きくこれに貢献することができるようになるだろう。各国も苦しい中哨戒機をだすなかで日本には米国に次いで多くのP-3Cを保有しており、海外に派遣する余裕がある。日本は離島を多く持つため主権が及ぶ水域を多く保持している。それゆえ広く哨戒活動を行う必要があるためである。もともとの理由はソ連の脅威に対応するため米国主導でP-3Cが多く導入された経緯があるが、今となっては必要な存在であり、あって当然のものとなっている。離島防衛を行うためにも重要な役割を担っているのである。

 ところが、P-3Cはこれから徐々に退役していくことになっている。後継機として開発されたP-1哨戒機がP-3Cのかわりに配備されることになるが、自衛隊は個体の能力が向上したことにより現在配備されているP-3Cより少ない70機ほどのP-1哨戒機で哨戒態勢を維持できるとしている。これから海上自衛隊の哨戒能力が必要となるなかで現状を維持するだけでよいのだろうか。全体的な哨戒能力を向上させ、海外での活動も満足に行う為にも現在のP-3Cと同数を配備し、哨戒能力向上につなげるべきだと考える。いくら多くの機体があるとはいえ、全てが即時運用可能なわけではない。予備も十分に考慮したうえでのことであると考えていただきたい。また、もしP-1哨戒機に興味がある国があり、輸出可能になったらすべきではないだろうか。そうすれば1機あたりのコストも抑えることができるのではないだろうか。早急に武器輸出を可能にすることが必要であるだろう。もちろんP-1をほしいという国がなければ全く意味のない話ではあるが。

 哨戒任務をを行う航空機はP-3Cのような固定翼機だけではない。海賊対処でも知られているが護衛艦に搭載されているSH-60ヘリコプターが艦艇の周辺において哨戒活動を行うことができる。船団護衛の場合は艦艇が直接カバーできないエリアをヘリコプターによって警戒したり、情報に基づいてヘリコプターを他の海域に派遣することもできる。そして、最もヘリコプターを活用できる艦艇はやはりひゅうが型護衛艦である。ひゅうが型護衛艦に搭載されているヘリコプターによる哨戒活動はかなりの効果を期待できることは間違いないだろう。ただ、ひゅうが型護衛艦に搭載される予定のSH-60Kは3機であり、これでは哨戒能力の大きな向上は期待できない。更なる哨戒能力向上のためにはヘリの搭載数を増やすことが必要だが、ひゅうが型護衛艦については後にまとめる予定である。

 以上、P-3CならびにP-1とSH-60による哨戒能力の向上をすべきだという意見を記したが、そのためには単純に作戦機数を増やすことが必要になる。また、ヘリの場合は搭載できる艦艇によって更なる哨戒能力向上が見込めるということである。対潜哨戒および洋上監視はシーレーン防衛にとって非常に重要なものである。これを行う海上自衛隊の能力を向上することが広い経済水域などの警戒を行い、海賊対処やテロ対策などのシーレーンの安定に寄与する結果となることは言うまでもないだろう。

 能力の向上だけが必要なのではない。日本の権利が及ぶ海域を端から端までしっかりと監視できる態勢を整えなければならない。例えば、政府は尖閣諸島は日本の領土だと主張しているにもかかわらず、P-3C哨戒機が尖閣上空を飛行して哨戒活動を行わず近くまで行くことしかしなかった。竹島も我が国固有の領土としながらも他国の管理下に置かれている。択捉、国後、色丹、歯舞も同じである。更には領有権の争いのない与那国島の西側は日本ではなく台湾の防空識別圏となっている。
日本にとって離島の主権を守ることは国全体を守ることに一致している。離島の主権を守ることはその周辺海域・空域を守ることである。他国に配慮し、更には領土の上空が自国の防空識別圏でないために周辺海域でのあらゆる活動が大きく制限されている。これは能力の問題ではなく政治の問題である。

 離島保護のための哨戒活動としてその他に考えられるのは、機動力の高いはやぶさ型ミサイル艇によるものがある。これを特に南西方面の島嶼に配備して沿岸警備体制を整えるのも効果的な方法だろう。海上保安庁の巡視船艇が多くの離島に展開してくれるのが沿岸警備にとっては一番いいことなのだが、ミサイル艇も非常に大きな効果を発揮するに違いない。また、滑走路の造れない島にはヘリポートを設けて海上自衛隊の哨戒ヘリを配備するというのも十分な効果を生むに違いない。哨戒ヘリとミサイル艇をセットで配備し、海上保安庁の巡視船艇数隻を置けば現状より更なる哨戒能力の向上につながる。繰り返すようだが、離島保護のための完全な哨戒態勢の整備をまずは始めるべきである。




シリーズ | trackback(0) | comment(0) |


2009-06-22-Mon- [シリーズ]海上自衛隊の戦力を強化せよ 1.はじめに

 インド洋での補給活動、海賊対処を行っている海上自衛隊であるが、任務が増加している現状がある中で予算が削られ、船や人員が減らされている。このような状態を1人の国民として見逃すことはできない。先日、久しぶりに熱の入った主張をしてしまったが国防体制を見直す第一歩であり、また重要であるのは海上自衛隊だと考えている。この日本にとって海上自衛隊の戦力強化こそが国防戦略であり最も重要な部分を占めることになると確信している。それゆえに今まで散々このブログで海上自衛隊について更新してきたのである。もっとも、海上自衛隊の行くべき先は海軍であると信じてはいるが。そこで、海上自衛隊の戦力増強について記していきたいと思う。まず、はじめに海上自衛隊を何故強化すべきかということを考えたい。

 まず、根本的なこととして日本が他国との陸上における国境を持たないということがある。島国である日本を取り囲むのは海であり、我々は海から様々な恩恵を受けている。恩恵とは水産資源はもちろんのこと日本を支えているシーレーンも関係してくる。石油を始め多くのエネルギーを輸入している日本にとってオイルシーレーンは国民生活の根幹を支えている生命線である。これが失われては生活が麻痺することになるため重大問題である。「国民の生活が第一」と言っている政党があるが、これをしっかり理解して生活に直結しているシーレーンを守る、ということを実行しようという動きは見られない。また、日本が島国であるとともに多くの離島を有することも大きな理由の一つである。そのため領海や排他的経済水域などの主権の及ぶ水域が多く存在するため、領土面積の少ない日本であるが領海と排他的経済水域の面積量では日本は世界第6位となっている。

 もう一度まとめると、①日本は島国である、②長いシーレーンが存在する、③離島が多くEEZも広いという三つの大きな理由に分けられる。これらの理由から海洋を守るために海上自衛隊そして海上保安庁の能力を強化しなければならないという考えに行き着くのである。もちろんこのようなことはわざわざ触れなくとも多くの人が理解していることではあるが、あらためて確認してみた。

 とりあえず海上自衛隊ならびに海上保安庁の能力を強化すべき理由が明快になったところで次回からはその内容を考えていきたい。(今回のシリーズは大部分がNの意見によって構成されています。)




シリーズ | trackback(0) | comment(0) |


2009-04-15-Wed- [シリーズ]ロシア軍の今 3.ロシア軍の現状

 軍改革をメドベージェフ大統領が表明したことで反発が強まるロシア軍であるが、ロシア軍という組織の現状はどのようなものなのか。ロシア軍といえばスペツナズなどの特殊部隊などに注目されがちである。兵力の削減や装備の強化という改革も重要だが、ロシア軍をみると、それよりも軍を構成している軍人に問題があることが見えてきた。

 ロシア軍とこれまで言ってきたが、正式にはロシア連邦軍という。ロシア連邦軍は陸軍、海軍、空軍という軍種と、戦略ロケット軍、宇宙軍、空挺軍という独立兵科から構成されている。初日にお伝えした第76親衛空挺師団はロシア空挺軍という独立兵科に属するものである。そして、ロシア連邦軍は地域を管轄している6つの軍管区によって区分されている。第76親衛空挺師団はレニングラード軍管区のプスコフに駐屯している。

 ロシア連邦軍では徴兵制が採用されている(男性に対してのみ)。対象は18歳から27歳で、期間は2年間である。しかし、多くの抜け道があったり、ロシアでは日常茶飯事に行われている賄賂によって逃れるケースもある。また、職業軍人と比べれば圧倒的に質が低い。そのため、改革計画ではすべての軍人を職業軍人にすることを目指している。

 NHKで先日放送された「揺れる大国 プーチンのロシア」というシリーズ番組の4回のうちの最終回に「プーチンの子どもたち ~復活する“軍事大国”~」がある。この番組を参考に見ていこう。

 この放送で取り上げられたのはカデットという軍の幹部候補生を養成する学校。ベラヤカリトバに位置するマトベイ・プラトフ将軍記念カデットは12歳~17歳を対象とした中高一貫校である。男女300人が全寮制の生活を行っている。2000年に大統領に就任したプーチンは軍の再建に乗り出した。軍事費を8年間で5倍以上に拡大し、兵士の給与も2倍に引き上げた。プーチンは「ロシアの発展には強大なプロの軍が不可欠だ。必要なのは優秀な将校、若い司令官と心から祖国に奉仕する兵士だ」と語った。大統領就任直後に愛国プログラム2001という政令を出し、愛国心を復活はロシア復活の第一歩だとした。この方針の下で建てられたのがカデットである。強いロシアを目指しているロシアはプーチン大統領の下で愛国心を教育の柱として教育を行ってきた。若者たちに愛国心をどうすれば植えつけることができるのか。それをプーチン大統領は歴史の中から見出した。

 ベラヤカリトバのカデットには目標とすべき人物マトベイ・プラトフ将軍の銅像が置かれている。彼ははコサックの英雄であった。帝政ロシア時代に皇帝への絶対的忠誠で知られ、国境で活躍したコサック。プーチン大統領はその勇猛さと国境の脅威を訴え、愛国心に注目し、コサックに光をあてたのである。そのコサックの精神を約100あるカデットのうち国境近くの約30校で教育の柱としている。

 こうした教育が何故なされるのか。グルジアで活躍した第58軍は全て志願兵によって構成されており、ロシアが将来的に目指す軍のモデルとなっている。将来的には100万の兵士全てをこうした志願兵・職業軍人で固めたいとしている。そのため、カデットのような学校をつくり、軍の付属大学などに高い愛国心を持ち、優秀な人材を送り出すことでその計画を着実に実行しているのである。

 しかし、こうした人材の質の向上が行われる中でも軍内部には大きな問題が存在する。いじめやそれによる脱走、上官の暴力による死者などである。こうした暴力、犯罪行為はいまだに続けられており、改革の障壁となるのは間違いない。



 このシリーズの続き、次回は更新日が未定です。近いうちに更新させていただきます。ご了承ください。




シリーズ | trackback(0) | comment(0) |


2009-04-14-Tue- [シリーズ]ロシア軍の今 2.ロシア軍近代化計画の背景(後編)

 二日目は初日の後編をお伝えします。対談部分です。



市瀬卓(いちのせ・たく)キャスター:それではスタジオにはロシアの安全保障問題に詳しい防衛省防衛研究所主任研究官の兵頭慎治(ひょうどう・しんじ)さんにお越しいただきました。

市瀬:ロシアが、今これほどまで軍の近代化と強化を進めているその理由はどこにあるのでしょうか。

兵頭:メドベージェフ大統領は3月17日に開かれた軍幹部の拡大会合で、2011年からロシア軍の装備を本格的に近代化していくと表明しています。これには大きく分けて二つの理由があると考えます。一つは国内向けの理由。ロシア軍の大規模な軍改革を進めようとしており、将校の数を半分以下に減らすという大胆なもの。これに対してロシア軍の内部で不満が高まっており、今回ロシアは経済危機にもかかわらず国防予算は削減しないと表明することによってロシア軍内部の不満を緩和させたいという理由です。二つ目は国外向けの理由であり、4月1日に米露首脳会談が行われます。これはオバマ大統領とメドベージェフ大統領の初顔合わせということもあり、昨年のグルジア紛争以降冷えきった米露関係を本格的に立て直す契機になるものです。ロシアとしてはこのタイミングで軍の近代化ということを大きくアピールすることによって、強気の姿勢を示すことにより、アメリカからのより一層の譲歩、あるいは歩み寄りを期待したいということです。

市瀬:一つの外交カードという側面もあるということですね。そこで軍の近代化の中身なんですが、先ほどのリポートの中でも3つほど要点がありました。まず兵力の削減ですがこれはどういう意味があるのでしょうか。

兵頭:ロシア軍というのはソ連時代最盛期に500万人以上の兵力がありまして、ソ連が崩壊してロシアになるときには約260万人くらいありました。現在は113万人まで減らされており、それを2012年までに100万人まで最終的に削減する予定にしています。これは、ソ連からロシアに軍が移行するということで軍削減のプロセスがようやく終わりに近づきつつあるといえると思います。ただ、量を削減するだけではなくて、質的な向上も目指していまして、部分的な契約勤務制、つまりプロの職業軍人を導入するということで現在ロシア軍の大体3分の2がすでに職業軍人によって構成されています。つまり、昨年8月に行われたグルジア紛争はほぼ職業軍人によって実施されたということになります。

市瀬:もう一つが装備の近代化ですか。これはやはり文字通りハードウェアを近代化するということなんですか。

兵頭:こちらの方はまだ遅れておりまして、実は昨年のグルジア紛争では、グルジア側の装備はアメリカの支援などの影響もあり比較的新しく、NATO標準に近づく装備を持っていましたが、ロシア軍はソ連時代につくられた古い兵器を使っていました。ロシアの戦闘機が4機ほど撃墜されたということもあり、グルジア側は無人偵察機を持っていたりして装備面ではかなりグルジアとロシアの差が目立ったということです。ロシアはより一層装備の近代化を行わなければならない、という判断に至ったと思います。現在のロシアの最新兵器の装備率は大体10パーセントくらいしかないのですが、メドベージェフ大統領によると2020年までに大体70パーセントくらいまでに比率を高めたいと考えているということです。

市瀬:もう一点は組織の改編ですけれども、新たな戦争の姿に適応していこうということなのでしょうか。

兵頭:現在のロシア軍はソ連時代につくられた非常に重厚長大な重たい組織となっています。今回のロシア軍の改編では、師団と呼ばれる8000~10000人規模のユニットを廃止して、ワンサイズ小さい旅団規模を中心とした部隊に大きく変更すると予定になっています。これによって、グルジア紛争などの地域紛争やテロ戦争などに、より対応できる即応性と機能性の高い軍隊への再編を目指しています。この再編はソ連ロシア史上最大級の組織改編というふうにいわれています。

市瀬:そうなりますと、今後ロシア軍が目指す方向性はアメリカやNATOと対峙することを念頭におきながら、対テロ作戦や地域紛争などに対応していこうというより幅広いものになっていくということでしょうか。

兵頭:通常戦力においてはNATOやアメリカと比べて圧倒的に劣っていることから、今後は核戦力を重視していくことになると思います。



解説:兵頭慎治氏は、防衛研究所研究部第5研究室主任研究官。専門分野はロシア地域研究(政治、外交、安全保障)。


 このシリーズのきっかけとなった番組、きょうの世界のホームページにはキャスターの紹介なども掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/kyounosekai/

 防衛省防衛研究所はこちら。
http://www.nids.go.jp/


●追加解説
 4月17日の国防省での年次会合で、ロシアのメドベージェフ大統領は軍改革を2011年から行う方針を示した。

 現在113万人の兵力を100万人までに削減し、装備を刷新するなどの改革を行う。また、上記の兵頭研究官の師団を廃止し、旅団にするという発言にある通り、指揮命令系統の簡略化なども盛り込まれている。簡略化は、現在の軍管区→軍→師団→連隊という形から、軍管区→作戦司令部→旅団という形になる予定である。

 軍改革計画は昨年の時点でセルジュコフ国防大臣が打ち出していたが、メドベージェフ大統領があらためて意思を表明したことで、軍内部の反発を招いている。4月11日にはウラジオストクで軍人が300人ほどの集会が行われた。

 このような改革や反発の裏にはどのようなロシア軍の実情があるのか。明日はそれを見ていきたい。




シリーズ | trackback(0) | comment(0) |


2009-04-13-Mon- [シリーズ]ロシア軍の今 1.ロシア軍近代化計画の背景(前編)

 シリーズ初日はBSの番組「きょうの世界」で扱われた内容を文章にしてその前半部分をそのままお伝えします。1回目と2回目のタイトルは、きょうの世界の特集で使われたものを使用しています。

注:以下の文章で斜体部分が書き起こしたものです。途中に解説を入れていきます。後半の対談部分は一部文章を直してあります。また、編集上省いた部分もあります。





ナレーション:戦略核戦力を含めた、軍備の大規模な近代化に取り組む考えを示したロシアのメドベージェフ大統領。イギリスBBCは西側諸国がめったに撮影することのできないロシア軍の基地に入り、近代化を迫られる軍の実態に迫りました。

ナレーション:ロシア軍の内部に今何が起きているのか。その現状をみていきます。


市瀬卓(いちのせ・たく)キャスター:強いロシアの復活を目指しているロシアが、大規模な軍の再編と近代化に乗り出しました。ロシアが今、軍の近代化を進める狙いはどこにあるのかを考えます。

丁野奈都子(ちょうの・なつこ)キャスター:これからご覧いただきますのは、ロシア軍の近代化についてイギリスBBCが制作したリポートです。BBCはロシア国内の二つの基地を取材。一つは、エストニアとの国境近くにあるプスコフ基地。エリート中のエリートと言われる第76空挺部隊が配置されています。そしてもう一つはモスクワ南部のリペツク空軍基地です。ロシア最高レベルのパイロットの育成を行っています。

russia 1



ナレーション(翻訳):ロシア軍が空から作戦を展開するとき、前線に送られるのは栄光の第76空挺部隊。エリート中のエリートです。彼らのモットーは、「勝利あるところに我らあり」。

第76空挺部隊リューティッチ中佐:部隊に所属することを兵士全員が誇りにしています。


russia 2


解説:ここでの第76空挺部隊とは正式にはロシア空挺軍第76親衛空挺師団のこと。


ナレーション:ロシア軍では、徴兵制が採用されていますが、この部隊の兵士の多くは職業軍人。装備も訓練もハイレベルです。ロシアは、西側諸国との戦闘に備え、この部隊のような体制をすべての部隊で整えたいとしています。そのため、ロシア革命以来となる、軍の大改革に着手しています。広範囲に及ぶ軍の改革は静かに進められています。


軍事アナリスト ゴルツ氏:軍が改革を行っているとはだれも言いません。みな、改革と言う言葉を使うことを控えています。しかし、政治家たちは、ロシアの軍隊が無能であり、戦時には使いものにならないと気づいているのです。

russia 3


ナレーション:ロシア軍が勝利したグルジア侵攻。しかしロシアはこの戦いで近代的な装備を持つ軍と初めて戦い、自軍の問題に気づいたのです。戦車の多くは、前線に到着する前に壊れていました。道に迷った部隊もありました。グルジア軍の戦車と違い、ナビゲーションシステムが装備されていないからです。

 軍備の近代化より難しい問題が、異論反論が飛び交う抜本的な軍の構造改革です。実際に訓練を行っている部隊もありますが、書類上でしか存在しない部隊も数多く存在します。装備がなく、部下もいない士官がたくさんいます。数万、数十万の指揮官らが解雇され、部隊も廃止となるでしょう。そのため、多くの人が反対しているのです。

 ロシア軍の構造は今でも九十年前のトロツキーの時代と変わっていません。戦時に予備役を召集する兵士に対し、平時から軍が抱える士官は余っています。士官の数は兵士100人に対し、40人。西側諸国の軍のおよそ2倍です。

 ロシア軍はすべての兵士を職業軍人とする一方、3分の2の士官を削減する予定です。これにより20万人の職が失われるとみられています。

 政府の軍再編計画に怒りを示す政治家や、軍の上級幹部も出ています。公の場での発言を控えている軍最高幹部のマカロフ将軍に質問することができました。

記者:すべての兵士を職業軍人にできるのですか。
マカロフ参謀総長:徴兵制や軍の組織などあらゆる面で検討を続けている。新たな軍の編成を行うには全てを考慮しなければならない。

ナレーション:目的がはっきりしない改革は意味がありません。しかしロシアでは今のところこの問題についての話し合いは行われていません。この改革によって注目すべき結果が生まれるとも言われています。

 士官の削減は大量動員という戦法を捨てることを意味します。欧米諸国に対し、通常兵器による戦争を行わないということです。ナポレオンの時代から続くロシアの戦術が転換されることになります。

ゴルツ氏:大量動員という戦法を完全に否定するということはロシアの主導者がNATOを仮想敵国とみなしていないということです。これは驚くべき変化です。ロシアの指導部は現実に気がついたのだと思います。本気でNATO軍に軍事力で対抗しようとしたら、ロシアを疲弊させるだけだということに気がついたのでしょう。

ナレーション:通常兵力で優位に立つ代わりに、ロシアは入念な外交を展開しようとしています。新たな脅威と立ち向かうため、装備の刷新も進めています。

 モスクワ南部にあるリペツク空軍基地です。

russia 4


 講義を受けているのはロシアのトップガン。最新鋭戦闘機の能力の確認を行います。

 これまでは欧米諸国を仮想敵に長距離飛行ができる戦闘機に予算が費やされましたが、今では南部の国境などが戦場になると仮定し、短距離飛行を念頭に戦闘機の開発、配備が行われています。これらの戦闘機は中央アジアのイスラム武装勢力との戦いなどで必要とされるでしょう。こうした戦いでロシアの存在感を高めることが狙いです。

ココシン元副国防相:ロシア指導部はもはやアメリカが唯一の超大国ではないということを学んだのです。たとえばフランス軍はアフリカで活動しています。国外での活動がフランスに許されるなら、ロシアも許されるべきでしょう。我々は旧ソビエト地域などに戦略的利権を持っています。ロシアは必要であればその利権を守るために軍事力を行使します。欧米の大国が行ってきたようにね。


丁野:今のBBCのリポートからはロシア軍の進める近代化について三つのポイントが見えてきます。まず一つ目が組織のスリム化のための兵力の削減。二つ目は老朽化した装備の近代化。そして三つ目が大規模な戦闘ではなく、地域紛争を想定した組織の改編です。

(画像は全てきょうの世界より)

 初日はここまでです。後編はまた明日お伝えします。




シリーズ | trackback(0) | comment(1) |


2009-04-12-Sun- [シリーズ]ロシア軍の今 0.はじめに

 明日から、シリーズ第2弾をさせていただきます。今回のテーマは「ロシア軍の今」です。

 最近の軍事ニュースを見てロシア関係のニュースがちらほら出てきたなあ、と感じた方もいらっしゃたかもしれません。今回のシリーズのきっかけはBSの番組です。そこから、簡単にロシア軍の今をまとめてみました。シリーズ最初の1と2ではこのシリーズのきっかけとなった番組の内容を文章でまとめ、少しだけ解説を入れながらお伝えします。

 それではよろしくお願いいたします。




シリーズ | trackback(0) | comment(0) |


2008-12-13-Sat- [シリーズ]その時あなたは 終.危機管理体制を強化せよ

[シリーズ]その時あなたは
終.危機管理体制を強化せよ

 インドのムンバイで起きた同時攻撃は世界に衝撃を与えた。日本人も1人が犠牲になり、多かれ少なかれ、日本人もテロの脅威を認識したことであろう。テロの原因や根源を潰すことは重要である。しかし、それと共に直前でそれを阻止、もしくはテロ後の危機管理の実行というものが重要である。テロだけではなく、犯罪、災害など危機管理が必要な状況は多々存在する。日本はそれなりの危機管理体制が整っているのだろうか。

 危機管理と聞いてすぐに思いつく役職は「内閣危機管理監」であろうか。これは、地下鉄サリン事件などを受けてできた役職で国防を除く危機管理を負っている。歴代全員が元警察官である。また、内閣府特命担当大臣には「防災担当大臣」というものが存在する。それ以外には内閣府副大臣、内閣府大臣政務官それぞれの防災担当などがある。組織としては、内閣情報調査室の中に、緊急事態における情報の集約・分析・連絡などを行う内閣情報集約センターが存在する。これは首相官邸の地下にあり、危機管理の初動をここで行うことになる。防衛省、警察庁、消防庁、海上保安庁などからの出向者でも構成されており、各関係省庁とホットラインで結ばれている。

 9.11以降、米国では国土安全保障省が創設された。国土安全保障省は国土防衛や国内危機に対応するための組織である。様々な機関を股にかけて運営しているため巨大な官庁となっている。注目すべきはその隷下に置かれている「連邦緊急事態管理庁 FEMA」である。FEMAに関しては米国内でも批判が多く、また、緊急時のFEMAによる強大な統制権限により警察国家化するのではないかという懸念も多いが、一般に表向きに言われる基本理念を見ていきたい。この組織の裏向きの名目はどうであれ表向きの組織目的は、災害に即応することである。緊急事態において、危機管理を様々な組織に関係なく危機管理を一手に担い、対応することになっている。今回、このコラムではこの理念を参考にして日本で新たな官庁を立ち上げるべきだという主張を行いたい。

 国内におけるあらゆる緊急事態、もしくはそれに準ずる状況が発生した場合に初期危機管理を行う組織として、内閣府の外局として「国家危機管理庁」の創設を提案したい。また、国民保護法に基づく活動を管理するということも業務内容に入れたい。今回は詳細を述べないが機会があれば述べていきたい。

 国を守るために必要な危機管理体制は絶対的に必要である。本来ならば抜かりなく対策を立てておかなくてはならないが、なかなかそうはいかない。しかし、できる限りのことを少しずつやっていかなくてはならない。「そのとき」が来てからでは、もはや手遅れなのである。




シリーズ | trackback(0) | comment(1) |


2008-12-12-Fri- [シリーズ]その時あなたは 5.国民保護実施の時

[シリーズ]その時あなたは
5.国民保護実施の時

 2004(平成16)年6月に国民保護法が成立した。これによって、国民保護が実施されることになった。国民保護とは武力攻撃などがあった場合に、国と地方自治体などが連携して民間人の非難や救援などを行う行動のことをいう。国民保護は一体どのようなものなのか。今回はそれを見ていきたい。


●武力攻撃事態・緊急対処事態

 国民の保護に関する基本指針では、4つの武力攻撃事態の類型を定めている。着上陸侵攻、弾道ミサイル攻撃、ゲリラ・特殊部隊による攻撃、航空攻撃の4つである。NBCR兵器の使用も想定されている。

 緊急対処事態とは武力攻撃に準ずる事態のことをいう。原子力発電所やガス貯蔵タンクへの危険が内在する場所への攻撃、人が集まる場所への攻撃、NBCR兵器の使用、航空機などによる自爆テロなどがこれらに当たるとされている。


●具体的行動

 突如、街にサイレンが鳴り響く。武力攻撃を知らせる警報である。(→国民保護に係る警報のサイレン音)そのような事態になったらまずは退避をし、そして情報収集を行わなくてはならない。放送を聴いたり、ラジオやテレビなどから情報を得るのもよい。大量の負傷者が出たり、物資の補給が必要になることもある。住民は協力を求められるはずである。その場合は状況に応じて、人命救助や物資分配などにおいて協力をすべきである。緊急事態では人手が足りなくなる。大規模テロの場合は以前の「テロの恐怖」で紹介したものを参考にしてほしい。

 地方自治体による国民保護訓練は様々な想定の元で、各地で頻繁に行われている。つい先日、11月26日には長野県でサリンを想定とした訓練が実施されており、現実的な訓練として有用なものになった。


●予備自衛官の存在

 自衛隊には予備自衛官という制度がある。正確には、予備自衛官補、予備自衛官、即応予備自衛官の3つに分かれる。災害派遣や国民保護などの活動に実際に携わるのは、予備自衛官と即応予備自衛官である。この制度では、自衛隊経験のない民間人が予備自衛官になる場合、予備自衛官補に採用された後、そこで訓練を受けて定められた訓練をこなさなくてはならない。よって予備自衛官補は訓練のみで実際の活動に参加することはできない。

 予備自衛官は災害派遣や国民保護の活動において大きな役割を果たすことになる。普段は民間人でありながら、非常時には機能的に活動をすることができる貴重な兵力である。これを拡充することは必要なことであり、更なる検討が求められる。


●総括

 今回は国民保護について深く説明しなかったが、国民保護訓練に積極参加し、個人意識を高めることがどんな対策よりも重要である。政府による広報活動を徹底し、認識を深めていかなくてはならない。また、内閣官房の国民保護ポータルサイトなども是非ごらんになっていただきたい。




シリーズ | trackback(0) | comment(1) |


2008-12-11-Thu- [シリーズ]その時あなたは 4.増加する凶悪犯罪

[シリーズ]その時あなたは
4.増加する凶悪犯罪

 増える凶悪犯罪。テレビで事件を見ながらも、まさか自分には、と思っている人はいないであろうか。最近の事件を振り返りながらあらためて恐怖を実感してほしい。


●最近の事件から

 皆さんは、日本では銃で撃たれない、爆弾など日本にはない、ここはアメリカではないのだから、などと考えてはいないだろうか。もし少しでもそう思ったらこれから挙げていく事件を思い出してほしい。

 1年前の2007年12月14日。夜にとんでもない速報が入ってきた。長崎県佐世保市のスポーツクラブで、男が散弾銃を乱射して多数が死傷したのだ。事件発生直後、犯人は逃走し、周辺住民は恐怖に陥った。結果的に犯人は自殺したが、人々は「まさか」としか言いようが無かった。

 2008年6月8日。秋葉原は恐怖と血で溢れていた。交差点にトラックで突っ込み、人をはねた上にダガーナイフで人々を無差別に切りつけるという事件が起きたのである。これによって7人が死亡。10人が負傷した。日曜日の歩行者天国でのこの凶行に、ただただ恐怖を抱くしかなかった。

 2008年11月17日。元厚生事務次官を狙った連続殺傷事件が発生した。連続テロの可能性があるとして、厚生労働省などの警備が強化されたが、犯人の自首によって事件は収まった。しかし、いまだ犯人に関して不透明な部分が多い。異例な事件に官庁の人間は恐怖を覚えたに違いない。

 2008年11月には、高知県にあるゴルフクラブなどが爆破され、さらにカシオワールドオープンが行われるゴルフ場に地雷を埋めたとする電話があり、異例の厳戒態勢がとられた。爆破は18日、22日に発生し、手榴弾によるものだと見られている。日本に手榴弾?スポーツにも?と日本人が思った事件だったに違いない。


●日本に安全な場所はない

 以上の事件を取り上げてみたが、これらのきちがいじみた犯行をどのように感じるだろうか。日本にも銃がある。溢れている。手榴弾などの爆発物だってある。簡単につくることもできる。殺人事件は何もナイフのようなもので刺されるだけではない。街にあるありとあらゆるものが凶器となりえるのである。秋葉原のように、車で人が集まる場所に突っ込むだけでも大きな被害を出すことができる。凶悪犯罪は常に身近で起き得るということを我々はよく認識する必要がある。いまや暴力団やヤクザだけが銃などの武器を持っているのではない。日本に武器は氾濫しているのである。

 今回のシリーズでテロの恐怖についても紹介したが、凶悪犯罪よりも、大量破壊兵器によるテロが実施されれば、更に甚大な被害が出ることは間違いない。普段の平和な生活もいきなり破壊されてしまうということをよく頭に入れた上で生活する必要がある。また、子供を狙った犯罪が多発している。まだ長い未来がある子供の命を奪う犯罪は到底許せるものではない。社会での管理体制を強化して犯罪に対応していかなくてはならない。


●総括

 今回は短くまとめたが、犯罪もテロと同様にいきなりやってくる。最終的には個人の意識、対策しだいで様々な局面を迎えることになるであろう。個人意識を高めていくことは、本当に大切なことだと痛感する。また、2009年からは裁判員制度がはじまる。犯罪者をのさばらすか、刑務所に長く入れるかは国民にゆだねられる。凶悪犯罪に対する意識を国民自身が高めていかなければ、犯罪の抑止になることはない。一人ひとり真剣に考えてほしいものである。




シリーズ | trackback(0) | comment(0) |


| TOP | next >>

●訪問者数

2009年11月19日から


いままでの単純HIT数
ブログパーツUL5

●BLOG内記事検索

●プロフィール

Author:N
 
自衛隊、日本関連の軍事情報を中心に運営しています。

▼リンク


このブログをリンクに追加する

●最新記事

●最新コメント

●最新トラックバック

●日付別記事一覧

08 | 2017/03 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

●月別アーカイブ

●カテゴリ

●注目!!!

クリックをお願いします


軍事 ブログネットワーク

単純HIT経過


QRコード

QRコード

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RMT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。