Nの軍事ブログ

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2009-12-31-Thu- 2009年の終わりに

 2009年が早くも終わろうとしています。みなさんにとってこの1年間はどのようなものだったでしょうか。つらい事が多かった人も多いはずです。2009年の終わりは2000年代の終わりでもあります。この10年間は本当に戦争ばかりだったと思います。ぱっと思いつくだけでどれだけの戦争を思い浮かべますか?どれだけのテロを思い浮かべますか?

 現在も世界中に前線で任務に就いている将兵がいます。これは自衛官にも言えることです。PKOはもとより、今年から海賊対処任務も新たに始まりました。昨年の年末もこのようなことで終わったと思いますが、彼らは国の命令で戦地に赴いているとはいえ、新しい年を笑顔で迎えられるようにと願うばかりです。私にはそれしかできません。来年はアフガニスタンでの戦争がいっそう激しくなり、戦死者を多く出すことでしょう。このようなことを考えるときりがありませんが、平和がどれだけ尊いものなのかということをあらためて強く感じます。

 最後に、昨年と同様に戦地に送られている兵士の皆さんが祖国へ無事に戻れるように祈って今年最後の記事とさせていただきます。Nの軍事ブログに訪れてくださった皆様、本当にありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。




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2009-12-30-Wed- 2009年 海上自衛隊の一年間を振り返る

 2009年がいよいよ終わりに近づいていますが、海上自衛隊のこの一年間を簡単に振り返ってみることにします。

 今年は私にとって非常に期待の大きい年でした。海上自衛隊の装備品に関するスケジュールが集中していたからです。主なものを挙げると、ひゅうが就役・一般公開、ひゅうが型2番艦進水、そうりゅう型潜水艦そうりゅう就役などです。また、なんといっても今年は観艦式が予定されていたので、海自にとって特別な年でした。

 期待は単なる趣味だけの問題ではありません。実際の任務に対しても非常に大きな関心を持っていました。なんといっても、海賊対処任務が今年から始まったことは重要なことでしょう。年が始まる前から今年の関心事となっていました。また、天皇陛下御在位20年を祝した行事も予定されていました。スケジュールが決まっていたのはこれくらいでしょうか。これだけみても海上自衛隊にとって特別な年であることは間違いないでしょう。良い意味でですが。

 しかし、スケジュールになかったことでも今年はいつもと違いました。まず、4月の北朝鮮ミサイル発射騒動です。イージス護衛艦ちょうかいが日本海に展開し、動向を見守りました。それから、下半期に入ってからよくないことが多々発生しました。ひとつは9月末にYS-11が田んぼに突っ込むという事故です。輸送任務に就く海自のYS-11は4機しかなく、この事故で1機使えなくなり、1機は常に点検に入っているため実働2機で各地を回らなくてはならなくなりました。その1ヶ月後、くらまが衝突事故により損傷し、DDHが稼働ゼロになる時期ができてしまうという事態になりました。死者はでなかったものの乗組員数名が負傷しました。そして、12月に入りSH-60Jが不時着し、2名が死亡するという事故が起きました。事故が立て続けに起きた年でもあったのです。

 あの船かっこいいな、あの飛行機好きだなと思って自衛隊に興味を持つ人は多いはずです。しかし、事故のニュースを見ると、やはり自衛官の中には常に危険な状況で仕事をしている人が実際にいるのだなと感じるはずです。海外派遣に関してでもそうです。いくら安全な地域で安全に気を使っているとはいえ軍艦が攻撃を受けたケースはありますし、駆逐艦コールの二の舞になる可能性も十分に考えられます。また、国内でも不審船などの任務では当然危険がともないます。

 事故は国民が自衛隊をしっかり見直すいい機会だと思います。そういう人たちがいるのだなと思うだけでも大きな違いでしょう。今年を振り返ると本当に「特別な1年」だったと思うのです。いい部分と悪い部分がたくさんありましたから。海自のみならず殉職者はたくさん出ています。それでも、来年も365日日本の国防を防衛省・自衛隊の皆さんにお願いしたいと思います。今年1年間本当にありがとうございました。我々には国の守りをお願いすることとそれを応援することくらいしかできませんが、期待をしています。




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2009-12-29-Tue- 支援活動のために国際協力隊をつくるべきか

 再び意見をいただきました。再びポイントになるのは、陸上自衛隊がPKOなどの任務に対応していくための普通科兵力をどのように確保できるか、ということです。コメントの中ではMOOTW(ムートウ、ムートゥ)のことをおっしゃりたいのだと思いますが(できたら直していただけると幸いです。正しい表記をできるだけこころがけていますので)、軍でなくとも民間で行える活動を「国際協力隊」のような組織を立ち上げて従事させるというのが提案でした。例えば災害派遣が大きな例で挙げられるでしょう。自衛隊と協力して活動を実施するという構想です。

 私は、はじめに正直に言っておきますが、こうした災害派遣活動や復興支援活動などに関しては、他に比べて詳しくありません。諸外国のそうした活動やJICAについても知識がありません。ただ、ひとつ言えると思うことがあります。それは治安や安全に関することなのです。治安がかなりのレベルまで回復し、民間人が安全に活動を行うことができればほとんど問題はありません。それが理想の形です。しかし、災害支援や復興支援などは混沌とした場所に展開しなければならないことが大部分であり、治安の回復を待っていたら何もできないこともあります。こうしたことを想定して自衛隊部隊とともに派遣することが必要になるのだと思いますが、民間の人間が危険な状況で多数展開するなかで、規律を維持して行動がはたしてできるのだろうかという心配があります。また、民間人を守るために自衛隊の部隊が武器をきちんと使うことができなければ民間人の死者を出す可能性すらあります。

 そのような責任と覚悟が両者になければきけんな地域での活動はできないでしょう。自衛隊は命令で動きます。しかし、民間人にはその義務はありません。もちろん、国際協力隊のような組織をつくればやる気のある人間がたくさん集まってくるでしょう。実際に活動に従事するためにはしっかりとした教育をして規律を徹底しなければなりません。すでに危険な地域で活動している団体や個人はたくさんいますが、国際協力隊というからには国の意思で派遣することに恐らくなりますよね?そうなれば責任はすべて政府が負うことになります。結果的に危険な地域での活動はできるだけ控えることになるでしょう。もしくは、自衛隊部隊に武器使用権限を明確に与え、活動を守らせるように政府が指示を出さなければならないでしょう。

 ここまでは否定するようなことを言いましたが、他国軍が展開している地域に派遣をするという方法もありますし、安全な場所では活動できるので国際協力隊を別枠で設けるのはいい考えだと思います。ただし、活動範囲はぐっと限られるということを言っておきたいだけです。これから議論でもう少し詰めることができたらいいと思います。

 さて、タイムリーと言っていいのかどうか不明ですが、友愛ボート構想というものが新しくでてきています。実際に具体的な内容が出来上がりつつあるようです。

米軍医療支援に艦船派遣=「友愛ボート」構想を具体化-防衛省(時事通信)

 防衛省は26日、鳩山由紀夫首相が掲げる「友愛ボート」構想の具体案をまとめた。米軍が中心となって行う人道支援活動「パシフィック・パートナーシップ」に、来年から海上自衛隊の大型輸送艦1隻を初めて派遣。約20人の医療チームなどを乗せて、アジア・太平洋地域で支援活動を行う。
 「友愛ボート」構想は、首相が今年11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため訪問したシンガポールで講演した際、明らかにした。
 支援活動は、同地域の発展途上国との関係強化を通じて安全保障環境を改善しようと、米国が2007年から始めた。米海軍の艦船が各国を訪問し、医療活動や土木事業支援、文化交流を行っている。カナダやオーストラリア、シンガポールなどは、軍医を派遣するなどの形で参加している。 
 自衛隊もこれまで、医官、歯科医官各1人を支援活動に派遣してきたが、来年からその規模を拡大する。海自の大型輸送艦で医官、看護官らの医療チームを派遣。現地の民間人との文化交流などを推進する目的で、NGO(非政府組織)関係者の同乗も呼び掛ける計画だ。(2009/12/26-15:14)


 NGOの関係者も同乗して活動に参加することになるのでしょうか。本格的にこうした活動に力をいれているのであれば、様々な組織案を検討してもいいでしょう。パシフィック・パートナーシップは米軍主導の支援活動です。米軍だけでなく軍が支援活動を行うことができる理由として、規律を維持して活動ができ、安全も確保しやすく、かつ自己完結性が高いということが言えるでしょう。ですから軍の活動に合わせて民間団体が出ていくことができるのではないでしょうか。既存の枠組みに参加するのであれば「国際協力隊」は活動を行うことができるはずです。高い能力が必要とされますが。支援活動は多岐にわたるのでそれぞれ能力を持った人が必要になります。軍や自衛隊はそうした能力も備えているのです。

 国際協力隊はこれからもっと考えるとして、友愛ボート構想ですが、輸送艦を使う余裕はあるのでしょうか。海上自衛隊は反発していると思いますけれど・・・(想像ですが)。大型輸送艦というからにはおおすみ型輸送艦を派遣するのでしょう。私の考えとしては、輸送艦は陸自部隊を移動展開させるのに極めて重要だと考えているので、おおすみ型3隻のうち1隻が海外で活動を行うことになるのは大きなダメージであると思っています。そうでなくとも数は少ないというのに・・・。民間の大型船を調達して運用することもあるかもしれませんね。




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2009-12-26-Sat- 自衛隊の人員配分についてのコメントへの返事

 自衛隊の人員配分に関する意見をmiopan loverさんからいただきました。今回はそれに関する返事です。その前に前回のまとめをしておきます。(更新が遅れて本当に申し訳ありません)

・5兆円の枠内で防衛力を維持しなければならない
・防衛力の要は正面装備である
・正面装備を運用する人員を優先して補充すべき
・そのために普通科の人員を一時的に減らすのはやむを得ない
・穴埋めは予備兵力で行う

 さて、本題に入ります。寄せられた意見は陸上自衛隊の火砲や機甲兵力の大幅削減でした(コメントはここで確認)。コメントで述べられているPKO等の任務がこれから重要になるという認識は納得できます。確かに、普通科連隊の活躍の場は広がるかもしれません。5兆円の枠内での防衛力整備を考えれば選択肢の1つとして十分に存在し得るものだと思います。ただ、私はこれには不安を感じます。火砲や、特に一例として戦車を300輌にまで削減するということが述べられていますが、ここまで機甲兵力を削減してしまうという点にです。

 敵の侵攻順序を考えてみれば、海空自衛隊兵力を増強して大部分を防ぐことができれば陸自の兵力は多い必要はないと考えることができるかもしれません。しかし、軍事は外交と同じで相手があることです。相手が戦闘機を持っていればそれに対抗できる戦闘機を持つ。戦車も同じことです。他国が機甲兵力を保持している以上、陸上自衛隊も機甲兵力をなくすわけにはいきません。ソ連の脅威がなくなったから機甲兵力はいらないという意見はよく聞きますが、あらゆる可能性を考慮して軍事力を保有するというのが基本です。周辺国はもとより、ヨーロッパでも主要国は機甲兵力を維持しています。

 北海道の第7師団。日本唯一の機甲師団です。機甲師団とは簡単にいえば、戦車兵力を軸に自動車化および機械化歩兵等で構成された師団です。機械化歩兵というのは決してロボット歩兵などではなく、装甲車などによって戦車と同等の機動力を保持する歩兵のことです。第7師団はこれらによって機動打撃を担う唯一の部隊です。他の師団でも戦車は配備されていますが、第7師団は数少ない戦車連隊を3個隷下に置き、1個機械化普通科連隊を有します。

 機甲師団を維持するには確かにお金がかかるでしょう。しかし、これは止むを得ないということを理解していただけるでしょうか。かつて民主党は防衛費5000億円削減を公約で明言しました。この中で機甲師団の廃止、戦車・火砲の20%減が盛り込まれていたのは皆さんもご存じのとおりです。この公約が実現されなかったことは日本にとってよかったと言っていいでしょう。日本だけが機甲兵力をわざわざなくすということはあり得ません。ただ、機甲師団を維持したうえで他の師団にある戦車大隊を減らすということで全体の戦車の数を落とすことはできるかもしれません。北海道以外に配備されている戦車はほとんどが74式戦車です。これからTK-X(10式戦車?)の配備に伴って74式は退役していきます。その中でTK-Xの配備数を減らし、全体の戦車数を今よりも少なくするということです。300輌とまではいかないにせよ人員不足はそれで解消されるかもしれません。

 ただ、それくらいの削減では普通科を強化できるということにはならないでしょう。そこで、再びコメントに戻ると中央即応集団の充実といったことが書かれています。これには大きく賛成できます。全体の普通科兵力が落ちたとしても、中央即応集団、特に特殊作戦群、中央即応連隊、空挺団(普通科大隊)を強化することでより強力な普通科兵力を保有するしかないと思います。現在の活動を見てもPKOの他海賊対処任務で派遣されているのは中央即応連隊の隊員です。今後一般部隊に引き継がれる予定なのかもしれませんが、とにかく最初に動くのは中央即応集団隷下部隊です。それを考えれば中即団強化は陸自の戦力維持に欠くことのできない要素だと思います。ただ私とmiopan loverさんの考えで違うのは、普通科を削減しての中即団強化なのか普通科を強化してかつ中即団強化なのかということでしょう。

 陸上総隊創設が防衛大綱に盛り込まれる予定でした。中即団に並んで1師団の代わりに首都防衛集団なる部隊を創設し、各方面隊と合わせて総隊隷下に置くという案でした。これを実現できれば陸自の定員を削減することができると思います。そして①機甲師団維持、②普通科兵力の削減、③中即団および予備自衛官強化を実施すべきだというのが私の考えです。何度も言うようになりますが、これらはあくまでも今後5兆円の枠が維持またはさらなる予算削減が行われる場合の1つの案にすぎません。予算が増額されるのならば陸自14~15万人規模を維持して海空自衛隊兵力を増強すべしというのが私の考えの基本です。冒頭の繰り返しになりますが、今回いただいたコメントは1つの案として今後の自衛隊の姿を考えれば十分検討すべき案だと思います。例で挙げられた300輌の90式戦車を機甲師団に重点配備して余りを他にまわすならば、ですが。

 まとめてみましょう。
第1案 普通科を削減し戦車等の装備維持をすることで防衛力とするべき
第2案 戦車兵力を大幅削減し、普通科や中央即応集団強化にシフトすべき

 他の意見を募集しています。私の意見もあくまでも素人考えでしょう。突っ込みどころはたくさんあるはずです。コメントを待っています。




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2009-12-20-Sun- 陸自から海空自に人員を振り分けるという意見について

 私が以前書いた意見に関してコメントが寄せられました。今回はそれについての記事となります。まずは私の発言内容です。

自衛隊は一人ひとりが戦力であり、特に護衛艦に限って言えば定数を満たしてこそそれの持つ力を最大限発揮できるのです。もし増員が認められないようならば、陸自の人員配分を海自にまわして護衛艦の定数を満たす必要があると考えます。陸自も人が足りないといいますが、もとの比率が多すぎるのであってそれぐらいの配分変えならば「効率化」の範疇ではないでしょうか。

 この部分が書かれた記事について他の部分にも意見が多くあるとは思いますが今回はこの部分だけをとりあげます。この陸自の定員を海自にまわすという意見について。戦車を動かす人員が足りないことを例にあげられ、陸自から人員を割り振るのは以ての外である、という意見をいただきました。このように考える方は多くいらっしゃると思います。私自身も同感です。あのようなことを書いておいていまさらなんだと思われるかもしれませんが、私が海自びいきであるという理由で陸自からの人員割り振りを言ったわけではありません。それに海自をひいきしているわけでもありません。

 防衛予算は毎年約4兆7000億円で年々減少しています。予算が減れば自衛官の定数は減り、装備品も調達できなくなります。一括調達ができないために高価になってしまう装備品もあり、その部分での経費を他に使うことができればと思うこともあります。自民党政権下で平成15年度から防衛費削減、つまり軍縮を行ってきた中で、平成21年度中に実施される予定だった防衛計画の大綱策定が政権交代で来年度に先送りされました。この策定される"はず"だった防衛大綱では、防衛費縮減方針から抜け出すことが盛り込まれる"はず"でした。しかし、民主党政権となり、防衛大臣は予算削減の意思が無いと発言しているものの、事業仕分けの様子からみても、今後も自民党政権から軍縮路線を引き継いで防衛費削減を実施する可能性が十分ありえる状況となりました。そして、来年度予算は次のように方針が決定しました。

防衛予算は「極力抑制」 政府、来年度の基本方針を決定(asahi.com)
 鳩山政権は17日午前、首相官邸で安全保障会議(議長・鳩山由紀夫首相)を開き、来年度の防衛予算編成の基本方針を決定した。厳しい財政事情を踏まえて予算を「極力抑制する」とした。地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の追加配備については、弾道ミサイル対処能力の向上を図る必要性を認めた。



 こういった状況をみても今後は、最低でも現状維持の状態が続くと思われます。つまり5兆円に満たない予算の中で毎年装備品を調達しつつ、さらにBMD(弾道ミサイル防衛)体制を整備していかなくてはならないのです。その上で防衛力を維持していかなくてはなりません。そこで、各自衛隊の戦闘力を維持していくにはどうすればよいのかということを簡単に考えました。自衛隊の戦闘力の大部分は正面装備(戦車や護衛艦、戦闘機など)で決まります。特に、海自や空自ではその傾向が強いと思います。それは護衛艦や航空機が戦闘力そのものだからです。では陸自はどうなのかというと、当然戦車や火砲、航空機などの装備品が重要な戦闘力となりますが、それだけではなく、人そのものが戦闘力となっている普通科という部分があるわけです。これらのことを踏まえて、次のように考えたわけです。

 防衛力を維持するには最低でも現在の正面装備を維持するしかない。それにはその装備を運用する人員が必要になる。しかし、自衛官の増員は認められない。それならば正面装備運用に携わる定員を満たす方法のひとつとして、陸上自衛隊の主に普通科から陸海空自衛隊装備を運用するための人員を他に供給しなければならないのではないだろうか。

 5兆円の枠内で防衛力を維持しつつ正面装備にかかわる自衛官の定員を満たすにはどうすべきかということを考えた結果です。普通科を軽視しているわけでも陸自を削減したいわけでもありません。ですから普通科にあいた穴を埋める方法も考えなくてはなりません。それにはやはり予備自衛官や即応予備自衛官を拡充するしかありません。常備自衛官と比べて質は落ちますが、仕方のないことだと考えます。普通科から人員を切り取ると考えたのは予備自衛官でなんとか数は揃えられるからという理由もあります。戦車・火砲や自衛艦、航空機の運用を予備自衛官に任せることはできませんから。それに、正面装備と普通科隊員それぞれを減らした後で再び元に戻す時に、どちらが現状を回復しやすいかということも判断材料になったと思います。つまり、正面装備の再調達と普通科隊員の再教育のどちらのほうが効率よく素早く行えるかということです。防衛産業の基盤が不安定になっている今、一度調達をやめたものを再び調達できる保証はありません。それに比べて普通科隊員の教育のほうが、大変で労力のかかることだとは思いますが安定的に実施できると考えました。

 以上が人員振り分けについての説明です。納得していただけたでしょうか。もちろん、話をもっと詰めれば海空自衛隊の防衛力の維持は正面装備だけではできないという意見もあるでしょう。一つ例を挙げれば戦闘機や哨戒機などの運用についてです。いくら戦闘機があっても整備や管制などが充実していなければ実戦で使えません。特に長期間の作戦では整備員の予備、つまり交代がなければ24時間体制で任務を行うことはできないのです。それを言えばそこにも人員が必要だということになりますが、今回は正面装備の維持を優先しました。

 そもそも、実質的にGDP1%の枠内に収められている現在の防衛費の状況を変えることができれば人員の再配分など行う必要はないのです。つまり、今の規模から7~8兆円規模(GDP1.5%程度)まで予算を増額できればきちんと定数を満たすことができます。もしくは、BMD関連予算を別枠で設けるなどの対応が政府にできるのならば、予算を実員や予備自衛官の拡充、装備の充実などに使うことができます。ちなみに、防衛費の40~45%は人件費・食糧費で占められています。

 とにかく、現在の状況で運用能力を維持できるならば人員再配分や削減をする必要はありません。陸自は15万人規模を維持できるならばそのままでいてほしいのです。予算が増額されるならば優先的に海自や空自にまわすべきだとは思いますが、それは望めません。3自衛隊が防衛力を維持しつつこの厳しい局面を乗り切らなければならないのです。

 これに関して意見、指摘、疑問などのコメントをぜひお寄せください。公開非公開どちらでもかまいません。不特定多数の人間が見ているこのブログを防衛問題を考えていく場所にしたいと思います。それ以外のコメントでもいっこうにかまいません。それと、PCの不調で昨日から更新が遅れました。コメントをいただいたにもかかわらず、すぐに対応できずに申し訳ありませんでした。またこのような問題を含めてエントリーを作成するかもしれません。




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2009-11-27-Fri- 防衛予算は事業仕分けに適していたのか

 行政刷新会議で事業仕分けが行われる中、防衛予算についても議論が行われました。しかし、防衛大臣からは批判が出ています。

軍服海外調達「聞いたことない」=防衛相

 北沢俊美防衛相は27日午前の記者会見で、行政刷新会議の「事業仕分け」で自衛隊の制服購入費が海外調達などによる縮減を求められたことについて「軍服を海外に依存するなんて話は世界中で聞いたことがない。その国と危険な状態になったら、おんぼろ服で事に臨むのか」と批判、「経費削減だけで論じている。論点がずれている」と語った。 
 自衛官の増員要求が認められなかったことについても「一般公務員と、国防の任務に就く人とを、同列に論じている」と疑問を呈した。(2009/11/27-10:26)



 北沢防衛大臣に関しては、過去に訓示や答弁などでは腑に落ちない点がいくつかありましたが、防衛大臣に就いて以来防衛省・自衛隊のために仕事をしていると国民の一人として感じています。今回もきちんと防衛大臣として事業仕分けについて反論をしています。まあ、これは防衛大臣でなくても普通に考えて制服を海外(中国など)で作ってもらえばいいなんてことを言うほうがおかしいと思いますが・・・。

 事業仕分けでは素人が議論を行い、国防体制を基本から維持していくということを考えずにとにかくなんでもいいからコストを減らすことしか考えておらず、しかも短時間で結論を出しています。防衛予算はこんな適当な議論で結論が出されるべきではありません。防衛大綱を先送りしたからには、もう一度民主党としての国防方針を立て、それに基づいて見識ある政治家やまともな専門家を交えて防衛予算の細部を議論すべきであり、あんな事業仕分けで簡単に見直しと言われてもも防衛省も国民も納得できません。防衛大臣がそれを代弁してくれています。今後中身のある議論がなされることを期待したいと思います。

 さて、議論の内容ですが注目したのは、自衛官の実員増要求と備品、被服、銃器類・弾薬のコストについてです。ちなみに今回の防衛省関連の事業仕分けは第3会場で行われ、行政刷新会議サイトに評価コメントが掲載されています(以下全てPDF)。

自衛官の実員増要求(評価コメント)
備品、被服、銃器類・弾薬のコスト(評価コメント)
装備品の調達(評価コメント)

 「自衛官の実員増要求」では防衛省は護衛艦などの第一線部隊に対して約3500人の増員(72億円)を要求しました。評価は「来年度予算への」計上は見送り」となりました。まったく納得できない話です。特に海上自衛隊に絞って言えば護衛艦人員の定数割れが起こっているのが現状です。それゆえに海賊対処任務や補給支援任務へ派遣される護衛艦の定数を満たすために人員を他から集め、しわよせが他にまでわたっています。それがいまだに解決されずにいるというのは大きな問題です。評価者コメントでは国家公務員の人員削減の「聖域」になっているという意見がいくつかありましたが、そもそも他の公務員と同列に扱うことこそ問題であり、聖域やらなんやらというような話ではないのではないでしょうか。自衛隊は一人ひとりが戦力であり、特に護衛艦に限って言えば定数を満たしてこそそれの持つ力を最大限発揮できるのです。もし増員が認められないようならば、陸自の人員配分を海自にまわして護衛艦の定数を満たす必要があると考えます。陸自も人が足りないといいますが、もとの比率が多すぎるのであってそれぐらいの配分変えならば「効率化」の範疇ではないでしょうか。

 次は備品等のコストについてです。備品については徹底してコストを抑える努力をすべきです。必要のないものも厳しく見ればあるかもしれません。ただ、予算への大きな影響はないでしょう。被服については当然今までどおりにやるべきです。自衛官に対して十分に被服や個人装備品は供給すべきであり、海外特に中国などから輸入してコストを抑えろなどという話はする必要もありません。輸入するとすれば欧米西側諸国に限らねばなりませんが。銃器類・弾薬に関しては次のようなコメントがありました。

「国内にこだわる時代でもないと思われる。」
「カラシニコフについて検討したとの事であるが、有事の対応についての検証が必要ではないか。
必要であれば口径変更を含めて(口径ありきでの選択ではなく)。輸入調達の導入・拡大にあわせ
て、調達銃器の妥当性の検討(例:1 億~2 億丁作ったといわれているカラシニコフ機関銃)。」


 89式小銃の価格が高いのは調達数が毎年少しずつしかないからであり、大量生産・一括調達を行えば単価を下げる余地はありませんか?どこからカラシニコフを導入すべきという話になるのでしょうか。そもそも実戦で使用できない、輸出もできない、買ってくれる国もないという小銃やらなんやらのコストを抑えろというのが無理な話だとは思いますが。輸出されている主要な小銃と言えば、米国のM16、英国のL85、仏国製FA-MAS、AK-47などでしょうか。これらはそれぞれの国が多くの輸出先を持っており、安価で実用性があるものばかりです。もし選ぶとしたらこの中のものになるのでしょうか。日本としては日本人の自衛官に合った小銃を国産で生産できるというのが強みになっているのではないでしょうか。

 最後は装備品の調達ですが、判断が下されず政治に任せるということになりました。賢明な判断に思えます。素人に決められたら大変ですからね。建設的な議論と総合的な判断を期待したいと思います。ただ、22DDH(ヘリ搭載護衛艦)、TK-X、P-1哨戒機などに関しては予算が認められない可能性が十分にあります。

 やはり軍事に関してはきちんとした知識と経験をもった専門家や政治家が議論を行うべきだとあらためて感じました。とにかく、他と防衛関連事項を一緒にするべきではありません。まともな議論ができるような体制を整えてほしいと思います。


▼参考リンク
行政刷新会議




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2009-11-26-Thu- PAC-3追加配備をどうするのか 今後の国防を再び考える

 防衛省は来年度から5ヵ年で3個高射群へのPAC-3配備を計画しています。すでに進行中の計画では第1、2、4高射群に配備することになっており、すでに配備は進んでいます。来年度予算に盛り込むかどうか検討されている今回の計画では残りの3個高射群にも配備を行い、全国に展開するというものです。しかし、社民党や民主党の閣僚や党内部から慎重論が出ており、追加配備が行われない可能性もあります。また、平成22年度予算では防衛力維持に必要な人員の確保も盛り込まれている模様です。

 ここで考えなくてはならないのはPAC-3の追加配備は必要なのかどうかということだけはありません。日本におけるミサイル防衛を包括的に考える必要があるでしょう。目先の予算だけにとらわれずに今後何年、何十年の視野で検討しなければなりません。これは国防戦略こそ国家戦略として長期的視野でたてなければならないということと同じことでしょう。当然なことではありますが、ミサイル防衛を今後長期的にどのような形にしていくのかということを決めた上で予算に盛り込まなくてはなりません。

 実際にどのような内容かと言えば、例えば今後SM-3をあたご型イージス護衛艦などへ搭載するために更なる改修を行うのか、THAADミサイルを導入するつもりがあるのかなどです。ミサイル防衛を確実なレベルまで持っていくつもりがあるならば、SM-3、THAAD、PAC-3の3段階として運用できるまで徹底してやるべきでしょう。きちんとした計画をたてられないようであれば、今後PAC-3を配備してそれで終わってしまったらMD体制は脆弱なままで意味を成さなくなります。それならば今のうちにやめるべきです。膨大な予算を使うのですから。

 徹底してやるか、これ以上やらないか。中途半端で終えるのが一番無駄なことでしょう。ミサイルを配備してそれで終わりではありません。ミサイルやソフトウェアは常に性能を高め、防衛能力向上に寄与していきます。また、レーザー兵器やABLの研究などこれも長期的かつ継続的に行わなければならないものもあります。一度導入したら継続が重要なのです。すぐに結果が出なければ「無駄」として扱われてしまうような現在の状況では、これらがきちんと議員に理解されることは残念ながらないでしょう。ですから、最初に述べたようにきちんとしたMD戦略をたてるべきだという意見を申しているわけです。計画によっては今後何年にもわたって膨大な予算が必要になります。3段階構想でやるつもりがあるのならば、通常の防衛予算ではなく、MD予算として別枠に設けることも検討しても良いかもしれません。そして、今の技術で言えば予算をつけた分だけ確度の高いものとなって返ってくるでしょう。もっとも、防衛予算について長期的に検討できず、目先の金が目的で議論が行われるようなレベルでは以上のことを検討する以前の問題ですし、民間の科学的な研究すらやめさせられるような状況では国防関連の研究についてなどまともな議論が行われるとは思えませんが。

 民主党政権になってMDが推進されると期待されていたもののどうやら無理なようです。パシフィック・パートナーシップへの参加やスーダンへの部隊派遣など海外への派遣を行う検討はしても、自衛隊の一番の目的である「国防」がいい加減になってしまっては話になりません。防衛費は削減するけれども任務は増やす。自民党がここ10年でやってきたことと同じでしょう。しかし、自民党は防衛大綱の改定を年末に予定し、軍縮をやめる方向へ転換する予定でした。それが政権交代でつぶれ、更に軍縮を続けるこの状況には黄色信号点灯とでも言っておきましょうか。もちろん自民党の今までの国防政策がよかったとは言えないでしょう。結果として軍縮して終わったわけですから。何もできないまま没落したのです。

 「効率化」「合理化」という言葉はもう聞き飽きました。防衛費・人員削減の名目で今まで使われてきた言葉です。どこまで効率的な運用をすればいいのでしょうか。弾薬を使わなければいいのでしょうか。燃料費がないから航空機を飛ばさなければいいのでしょうか。89式小銃を配備しなければいいのでしょうか。訓練を行わなければいいのでしょうか。広報活動でお金を徴収すればいいのでしょうか。本当に効率的な予算を組むつもりなら、装備品の単価を抑え、その分実戦的な訓練につぎ込んで戦力を維持する方向へ導いてほしいものです。どのような方策をとればいいのかを、素人のNが詳しく判断することはできません。しかし、今抱えている問題が防衛費や人員を削減することで解決できるということはないということだけは断言できるでしょう。




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2009-09-21-Mon- 日本はアフガン撤退の先鋒となるのか

 日本がアフガニスタン支援として行っている海上自衛隊による補給支援活動は来年1月で打ち切られることが確実となった。そんな中、ISAFのイタリア軍兵士が17日の自爆テロで6人死亡し、20日に遺体がローマに送られた。イタリアのベルルスコーニ首相は部隊の撤退を示唆しており今後のアフガン情勢に影響を与えそうである。

 というのも、イタリアでもドイツでもヨーロッパの各国でアフガニスタンへの部隊派遣に対して反対の世論が賛成を上回ってきているのである。戦争が長期化し、アフガン国土のほとんどが武装勢力の活動下に置かれる中で厭戦気分が各国に蔓延している。アフガンでの戦争を主導している米国でも同じである。

 そうした中で、陸上部隊を派遣してはいないもののアフガニスタンへの支援を海上において行っている日本が撤退すれば、「日本が撤退したのなら我が国も」と撤退に対する口実を与え、各国が撤退へ動き出す可能性もある。

 増派を行いこれから一気に形勢逆転を狙う米国にとって日本の撤退というのはそのような重要な意味を持つ。遅かれ早かれNATO加盟国が撤退を行い、世論が反対に大きく傾けば米国に次ぐ兵力を派遣しているイギリスもいつまでも派遣するわけにはいかない。そうなれば米国もアフガンで戦争を遂行することはできず、オバマ政権は大きな打撃を受けることになる。

 岡田外務大臣はアフガニスタンへの陸自派遣はないと明言した。支援活動としてすでに現地で活動している団体も多数いるが人道支援を本格的に政府が進めるのは治安が改善しない現状では難しそうである。人道復興支援=非軍事活動=攻撃を受けないということは言えない。民間人の派遣には慎重にならざるを得ないのは当然である。やはり日本は更なる莫大な資金提供を迫られてそれに応じることになってしまうのだろうか。




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2009-08-29-Sat- 民主が防衛大綱改定を先送りへ 今後の国防を考える

 産経新聞は、民主党が防衛大綱(防衛計画の大綱)の改定を先送りすると報じた。

産経新聞/民主、防衛大綱改定を来年に先送りへ 混乱は必至

 政府は今年度末に切り替わる防衛大綱の改定を年末に予定していた。しかし、民主党が政権をとった後には内容を再検討し、見直すというのである。

 日本は何年にもわたって軍縮をしてきた。戦車、護衛艦、戦闘機といった正面装備は少しずつ削減され、定員に満たない人員も定数を減らされ続けてきた。しかし、最近の北朝鮮の脅威がようやく認識された?のか、今度の防衛大綱改定においてついに方針を転換する可能性が大であった。共同通信が報じた新防衛大綱の基本方針の内容によれば、

中国の軍事的な台頭や北朝鮮の核、ミサイル開発を踏まえ「装備、要員の縮減方針の転換を図る必要がある」と明示。冷戦終結を受けて1995年策定の大綱から削減傾向にある予算を増額させる方向転換を打ち出した



ということである。つまり、散々軍事大国だといわれていたにもかかわらず実は軍縮していたが、それも限界に近づいたということであろう。この基本方針の中では陸自の定員増の検討がうたわれており、予算と人員の両方を増やすというここ10年ほどでの大きな転換である。ようやく縮小に歯止めがかかると思った矢先に民主党のこの動きである。産経の記事にもあるが、防衛大綱改定が阻止されれば5年ごとの装備調達などを決める中期防衛力整備計画も閣議決定できず大きな遅れがでてしまうことになる。

 民主党の政権公約をみればわかることだが、冊子の一番最後にそれまでカラーがでてきたのにも関わらず白黒になったページに「外交」とだけ書かれており、安全保障の文字はでてこない。民主党の政策面での心配(海賊対処やPKOなど)はそれほど大きなものではないが、予算の削減が最も懸念すべきことである。一度大幅な削減がなされるとそれを再びもとに戻すのは容易ではない。例えば、これらは週刊オブイェクトでも散々言われていることだが民主党のマニフェスト2003を見ると、機甲師団の廃止や戦車・火砲の20%縮減といったことが具体的に書かれている。本気でこんなことを考えているのかどうかわからないが、民主党のマニフェスト/政策集をみると「マニフェストは、国政選挙の都度、社会情勢等を考慮して必要な政策を検討し、国民の皆さんに党のお約束として提示するものです。従って、その内容は深化、変化していきます。」と書かれていた。どのように「深化」、「変化」しているのか示してほしい。政権をとってから5000億円削減しますと言われても財務省は喜ぶかもしれないが国民の多くは喜ばないだろう。

 防衛費削減は何も数が示す防衛力が損なわれるだけではない。軍縮をしてきたせいで直に影響を与えている。

朝日新聞/防衛産業、撤退相次ぐ 予算削減で装備品の発注減

 軍縮は防衛産業に大きな影響をもたらす。輸出ができないために単価は高く、一方で今まで高くても調達してきたものすら調達しなくなる。これはひどい状況である。防衛大綱改定では武器輸出三原則の一部見直しも提言されていた。F-Xにも関わる話だが、F-35のような共同開発から取り残されないようにするために三原則の一部見直しを「安全保障と防衛力に関する懇談会」は提言した。個人的にF-35の共同開発に参加できなかったことは非常に大きな損失だと思う。JSFの開発参加において最低でもレベル3パートナーになることができていればと悔やんでしまう。日本は「無事故」を重視することから双発の戦闘機を導入する傾向にあるが、F-22よりも色々な面でいい戦闘機である。個人的な趣味としては、F-35B(STOVLタイプ)を海上自衛隊の地上航空部隊に配備してほしいと考えているw。

 次期主力戦闘機導入については当面F-15の改修で乗り切るしかないだろう。この間横田基地で見てきたが、F-22の配備にははじめから反対だったのでよかったと思っている。貴重な航空自衛隊の予算から莫大な予算を割く必要はない。それよりミサイル防衛につぎ込むべきである。

 民主党の勝利は目前に迫っており、これから民主党政権の動向が気になるところではあるが、ミサイル防衛に関しては積極的な姿勢を示しており、ミサイル防衛の早期整備には期待できるかもしれない。これが安全保障政策で唯一期待できるかもしれない。防衛大綱や中期防にも記載される可能性があったのが現在米陸軍開発したTHAADミサイルである。現在、中間段階(大気圏外)での迎撃を行う海上配備のSM-3と終末段階(大気圏再突入後)での迎撃を想定したPAC-3を配備している日本にとって第3の迎撃ミサイルシステムということになる。THAAD(サード)ミサイルは短及び中距離弾道弾の迎撃を想定しており、北朝鮮の中距離弾道弾ノドンの脅威を最も感じている日本にとっては期待度の高いものである。また、PAC-3よりも広い範囲をカバーできることもあり、予算の優先順位をつけるならばTHAADを1位とすべきだろう。

 そもそもミサイル防衛に力を入れている米国のBMD構想はブースト段階から順に、ABL、KEI、イージスBMD(SM-3、地上配備SM-3も開発へ)、GMD(GBI)、THAAD、イージスBMD(SM-2)、PAC-3など("など"というのは共同開発の他のシステムがあるため)、という7段階で計画されている。以前本ブログでも紹介したABL(エアボーンレーザー)などはまだ開発中であるが、BMDはこれだけの重構造で構築されているのである。そのうち日本は2段階しか採用していない。日本はこれから、予算の限界を考えて費用対効果のよいものを厳選しなくてはならない。

 民主党の安全保障政策は、防衛費削減や正面装備の削減といった愚かなものがなければ海賊対処の継続やミサイル防衛の整備、PKOへの積極参加などを考えればまずまずなものなのかもしれない。しかし、社民党がからんでくると話が変わってくる。国防に大きな穴が開かなければいいとは思う。海外派遣や集団的自衛権行使にこだわってきた自民党に民主党がかわるのであれば国内の防衛力整備をしっかりとやってほしい。まずは、与那国島への自衛隊配備から始まるだろうか。国境に陸海空自衛隊部隊を配備するということは特定の国を警戒するというものではない。中国も台湾も韓国も「敵」ではない。不測の事態に対処するには隙間なく国土を守る義務が政府にはある。誰がどのようにくるかわからないが、考えうる可能性により多く対応できるようにしておくのが政府の責任であり、自衛隊の任務であろう。そういうことを徹底できるような政府になってほしい。それと最後にひとつだけ。海賊対処でのP-3C派遣前にジブチ、ディエゴガルシア、オマーンを結ぶ三角地帯の哨戒を行う話がでていたが、「緊密で対等な日米同盟関係」を謳うならば、米軍の日本駐留の代わりに米英軍の拠点であるディエゴガルシアに海上自衛隊部隊を駐留させろと米国に言ってみてはどうだろうか。もちろん海賊対処任務のためであるが。




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2009-07-12-Sun- 海自のHPはレシピの更新情報だらけ?

 アメーバニュースに次のような記事があった。

海自のHPはレシピの更新情報だらけ 日本は平和か
 ネット上の面白い画像を集めるサイト「おもしろ画像」で「日本ってホント平和だよな」というトピックが話..........≪続きを読む≫




 1ヶ月ほど前に海上自衛隊関連サイトについて記してみたが、海上自衛隊のサイトが今回アメーバニュースに取り上げられた。海上自衛隊のサイトは以前、確かに新着情報にレシピも含まれていて上記のような状況になっていたこともあるが、今は分かれている。また、米海軍のようなサイトと違いコンテンツの充実度は低い。いきなりこのサイトだけ見ても海上自衛隊について多くを知ることはできないだろう。しかし、レシピが多く更新されているからといって「日本ってホント平和だよな」なんて言うことはできないはずだ。

 日本本土は平和なのかもしれないが、海上自衛隊は今現在たくさんの任務を抱えている。海上自衛隊の現在の活動であるインド洋での補給支援や海賊対処といった海外での主な長期任務は、統合幕僚監部のサイトで一括して紹介されている。活動内容や画像、動画があるものもある。また、第1護衛隊群のサイトでは最近になってたくさんの画像が更新されるようになっている。自衛艦隊のサイトも新設され、これから大いに更新していくつもりなのだろう。また、各総監部や基地、部隊などでも内容が充実しているものもある。広報に力を入れるようになっている、ということが少しでもわかるのではないだろうか。アメーバニュースで海上自衛隊のサイトが取り上げられ、ほとんど何も更新されていないように書かれてしまっているが、実際は別の場所で地道に少しずつではあるが内容は更新されている。こういった認識が広がってしまうのは「海上自衛隊ファン」として残念に思う。

 ただ、海上自衛隊の広報をしたいという気持ちは伝わってくるが、国民の目にこのようにしか映らないことがあるということもまた事実である。海上自衛隊のサイトで他の関連サイトについてもっとアピールしたほうがいいのではないだろうか。今回のようなニュースが流れると誤解を招きかねない。

 今回まともにコメントをしてしまったが、このアメーバニュースの記事にはたくさんのコメントが書き込まれている。なんだか平和ボケの話題でほとんどが費やされてしまっていて大変なことになっている。みなさんには関連サイトにもっと注目してほしいと思う。




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